堀江貴文氏が語るJリーグの未来とは?(後編)|「都心に専用スタジアムを建設するために“あれ“を売ってしまえばいい」

時代背景がJリーグの伸びしろに関係ある?

堀江 時代の流れとして、これからはエンターテインメントの分野が大きく伸びてくると思います。なぜかというと、働く時間が減っていくと予想されるから。それはIoT革命の先にあるもので、ロボット技術がますます進化を続けていくと、今ある仕事の多くがロボットに置き換えられていきます。

 また、労働時間の短縮化に向けた動きも、さらに加速していくことになるでしょう。労働効率のいい人なんかは、1日に数時間程度しか働かなくてもよくなる。時間が余るようになり、必然的に遊ぶ時間が増えていくことになるでしょう。

 そうした時代背景を考えると、エンターテインメントの分野はこれから大きく伸びていきますし、その中でハイクオリティーのスポーツコンテンツというものはすごく伸びしろが出てくるわけです。まさにこの点で、Jリーグは新しい価値をつくっていけるものだと思います。

――サッカーは野球と比べて試合数が限られており、ファンとのタッチポイントという面ではハンディがあるように思います。

中西 そこはサッカー先進国から学ぶべきことは多いように感じますね。試合と試合の間にもサッカーの話が途切れないよう、メディアなどを通じて話題を生み出すことで、むしろ試合数が少ないからこそ、毎日何かしら楽しめるようなコンテンツが生まれると思いますし、そこにはわれわれも注力しています。

――Jリーグでももっとエンターテインメント性を高めていく必要があると考えているのですね?

中西 エンターテインメントと文化というものを考える時、この2つを分けて考えて、エンターテインメントを文化よりも低いところに位置付ける論調をよく見かけます。

 ですが、エンターテインメントとして始まり、時代の波を超えて残っていったものが文化になるわけですよ。ミケランジェロだって最初はエンターテインメントだった。エンターテインメントとして人々を楽しませてきたものが生き残り、文化になるわけですよ。

――なでしこジャパンの宮間あや選手(岡山湯郷ベル)も、女子ワールドカップ後の記者会見で「女子サッカーを文化にしていきたい」と言っていましたが、サッカーを文化にするためには、エンターテインメントとして楽しめるものにしなくてはいけないと?

中西 宮間選手が言っていたのは、まさにそういうことで、僕たちも協力していければと思っています。

 欧州ではサッカーが文化になっているといいますが、サッカーというのはまさに世界最高のエンターテインメントなんですよね。最初から”文化”と言う言葉だけが先行すると、いろんな可能性を狭めてしまうと思いますね。

 

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