「自分の行けるところまで…」 “ハリルの秘密兵器”加藤恒平が目指す二つの大舞台

「自分の中で覚悟は決まっている」

「28、9歳って正直もう若くないですよね。ヨーロッパのサッカーを見ていても、この年齢でどこまで行けるか、自分の思い描いているところまで行けるかどうかっていうのは分からないんです。自分の中で覚悟は決まっている。足を止めるつもりは全くない。自分の行けるところまで行って、その結果W杯に出れたらいいですね。でも、(W杯に)出れなかったとしてもサッカー人生は続きます。その後の人生のことも大切ですし、ヨーロッパで戦い続けたいと思っています。もう一つの目標としてチャンピオンズリーグがあります」

 ロシアW杯、そして欧州クラブにとって最高の舞台への憧れも口にした。その語り口は穏やかだが、内に秘めたる烈々とした思いは、言葉に乗って痛いほどに伝わってくる。代表キャップはいまだに「0」。それでも自分の信じる道を一歩、また一歩と確かな足取りで進むだけだ。

「誰かの評価よりも、自分の自己評価の方が低いんです。だから周りが言うことは全く気にならない。自分が悪いプレーをした時、自己評価は誰よりも厳しくないといけないはずです。他の誰かよりも自分の評価が甘いというのは、それはそれで問題。反対に誰かが良いって言ってくれたとしても、自分の中では100%のプレーパフォーマンスではないんですよ。完璧は絶対にない。だからこそ、どんなに良い試合があったとしても、まだ改善できるポイントは絶対にあると思います。自分に厳しくじゃないですけど、しっかりと客観的に見つめながらやっていこうと思います」(後編に続く)

<Profile>
加藤恒平(かとう・こうへい)
1989年6月14日生まれ。ブルガリア1部PFCベロエ・スタラ・ザゴラ所属。立命館大在学中に21歳でアルゼンチンへ留学。その後、FC町田ゼルビアを経てモンテネグロ、ポーランド、ブルガリアと東欧クラブを渡り歩いている。2017年5月、バヒド・ハリルホジッチ監督により日本代表に初招集された。

【了】

石川 遼●文 text by Ryo Ishikawa

フットボールゾーンウェブ編集部●写真 photo by Football ZONE web

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