前橋育英と富山第一で明暗 勝負を分けた「監督の采配」と「トーナメントの妙」

80分間スコアレスも、後半アディショナルタイムに前橋育英のFW飯島が劇的決勝弾

 どんなゲームも、勝利の女神が微笑むのはたったの1チームだ。第96回全国高校サッカー選手権大会の3回戦、富山第一(富山)と前橋育英(群馬)の強豪対決を制したのは、昨年の準優勝校である前橋育英だった。両チームの監督はそれぞれに勝負の采配を振るったが、最後には明暗がくっきりと別れた。

 試合は80分が経過するまでスコアは0-0だった。しかし、アディショナルタイム目安の3分に突入したところで、前橋育英のMF塩澤隼人がミドルシュートを放った。これが相手DFに当たり、ゴール前にポジションを取っていたFW飯島陸の下へこぼれた。すると、今大会4得点を決めていた飯島がGKとの1対1を冷静に決め、1-0の勝利につながった。

 劇的な幕切れとなった一戦。守勢に回った富山第一の大塚一朗監督は、守りを固めて好機を待つ形が狙いだったと振り返っている。

「(大会)3試合目ということもあり、疲れもあったので、(攻撃的に)いくと見せかけて、閉じこもって守備をしながら得点のチャンスをうかがおうという作戦でやってみました」

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