豪快ミドル連発の流経大柏“10番”菊地泰智 夏冬二冠へと突き動かす悔しさとは

ユース昇格を逃した「上でも通用する」才能

「得点王になれと言って送り出したんです。大会トータルで見れば、ランキングの上位に入る選手が2人、3人と出てこないと厳しいですからね。菊地はなんでもできる子で、どのポジションで出してもできると思います。子どもっぽいわけではないんですけど、精神面だけ18歳以上のものに育っていけば、上でも通用すると思います」

 その「上でも通用する」才能は、昨年にAFCチャンピオンズリーグを制した浦和レッズの下部組織で培われたものだった。しかし、ユースへの昇格は叶わず、その時にかけられた言葉であり評価は「連続したプレーができていない」というものだったという。しかし、千葉県の名門に進んだ菊地は「今ではミスをしても取り返して、また攻撃するというプレーができるようになったと思いますし、自分のストロングポイントになったと思います」と、弱点を克服できたことに自信を見せた。

 菊地は同会場の2試合目に組まれている前回王者の青森山田(青森)や二冠を意識し、頂点への道を見据えている。

「人によっては夏の優勝を忘れた方がいい人もいるかもしれないけど、二冠は自分たちにしかできないことだと思いますし、(青森)山田も前回王者で注目されていると思う。そのなかで何ができるかというプレッシャーに打ち勝てた方が、良いところまで行けると思っています」

 中学時代の弱点を長所に代えるところまで鍛え上げ、流通経済大柏の中盤に君臨する160センチのレフティーは、二冠を目指すチームを力強く引っ張っていく。

【了】

轡田哲朗●文 text by Tetsuro Kutsuwada

フットボールゾーンウェブ編集部●写真 photo by Football ZONE web

 

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