「全てを想定内にする」 浦和GK西川、タイトルへの道は「立ち上がりの15分」にあり

「努力が報われると信じて戦いたい」

 アル・ヒラルの立場からは、少なくとも1得点しなければ優勝の可能性がない。だからこそ、試合開始から圧力を掛けてくる展開も予想される。様々な状況をシミュレートし、全てが“想定内”であるように準備をすることで、GKに最も大切な平常心を保てる。

 西川は個人としては代表落選からの復帰があり、チームとしてはサンフレッチェ広島時代から指導を受けたミハイロ・ペトロヴィッチ監督がシーズン途中で交代になるという出来事もあった。そうした激動のシーズンの“クライマックス”だからこそ、有終の美を飾りたい思いは強い。

「今シーズンは良いことも、悪いこともたくさんありましたけど、1年を良い形で終われるようにイメージしています。その悔しい思いも、チームのみんなでしたこと。努力が報われると信じて戦いたい。(リーグ5位以下により)来年のACLに出られない寂しさはありますけど、必ずこの舞台に戻ってきたいんです。だからこそ、今年はクラブワールドカップに出場したい」

 タイトルを争うビッグゲームでは、必ずGKのプレーが勝敗を分ける瞬間が訪れる。第1戦でチームのピンチを救う活躍を見せた西川には、第2戦でも“スーパーセーブ”を披露することが求められるだろう。だからこそ、そのプレーを導くのは平常心と準備だ。試合に向けて静かな闘志を高める守護神は、試合後にトレードマークの笑顔を弾けさせるつもりだ。

【了】

轡田哲朗●文 text by Tetsuro Kutsuwada

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

 

page1 page2

今、あなたにオススメ

トレンド

ランキング