ベンゲル監督がホームグロウンルールに異論 「二流選手を守ることになる」
大きな欠陥
アーセナルのアーセン・ベンゲル監督が、プレミアリーグの自国出身選手の優遇策を厳しく批判した。衛星放送「ビーイン・スポーツ」で語った。
イングランド代表は、このところワールドカップなどでの国際大会で思うような成績を残せていない。そのため、イングランドサッカー協会(FA)のグレッグ・ダイク会長は、国内クラブのトップチームに自国リーグで育成された12選手を入れるという「ホームグロウンルール」を導入した。イングランド人選手の強化に血眼になっているが、この政策には大きな欠陥が存在するという。
ベンゲル監督は、このルールの導入を 批判してこう語った。
「我々は競争の世界に身を置いている。競争とは自分か他に人間が一番なのかを決めることを意味する。我々はその現実を理解しなければいけない。だから、ルールは最強を決めるにふさわしいものでなければならないし、そうでなければ、競争の意味はなさない」
フランス人の名将は、これまで母国フランスやアフリカから数々の原石を発掘し、育成してきた。現在も下部組織のアカデミーには数多くの俊英が集い、アーセナルはプレミアでも屈指のタレントを輩出するクラブとなっている。
「我々は、2つのことが言える。二流選手を守るのか、それとも最高の選手を育成するのか。個人的には間違ったルールで二流選手を守るよりも、5歳から20歳の間で誰よりもいい選手 になれそうなスーパーな人材に投資することを大々的にサポートしたい」
現在、プレミアのトップクラブでは「ホームグロウンプレーヤー」を確保しなければ、チームを運営できないため、イングランド代表選手やユース育ちの選手の移籍金や人気が過剰に高まっている。アーセナルでもジャック・ウィルシャーやテオ。ウォルコットといった代表選手は、マンチェスター・シティなどの自国出身選手が枯渇しているクラブの補強ターゲットとなっている。