ハリルJと「世代交代」 日本代表歴代W杯メンバーに見る最適なバランスとは

求められる“コア層”ロンドン世代の奮起

 だとすれば、ロシアW杯のチームに求められるのは、ロンドン世代のさらなる台頭である。

 過日のオーストラリア戦ではDF昌子源、DF酒井宏樹、MF山口蛍、FW大迫勇也がスタメンに名を連ねたが、ロンドン五輪を目ざすチームでは年下ゆえに存在感を発揮できなかったり、メンバー入りしたもののA代表でスタメン定着に至っていない選手たち──FW原口元気、DF酒井高徳、MF柴崎岳、MF小林祐希、FW杉本健勇らが、ハリルホジッチ監督の構想でより高い優先順位となっていくことが求められる。

 そのうえで、リオデジャネイロ世代(93~96年生まれ)がさらに食い込んでくれば、チーム内競争は活発となる。オーストラリア戦で決定的な仕事をしたFW浅野拓磨とMF井手口陽介だけでなく、DF植田直通やFW久保裕也、さらにリオ五輪でキャプテンを務めたMF遠藤航やMF大島僚太といったタレントがロシアW杯のメンバー争いに加わっていくことで、ハリルホジッチ監督のチームは新たな局面を迎えるはずだ。

 本田や岡崎の巻き返しに注目が集まるサウジアラビア戦は、ロンドン世代とリオ世代にとっても重要な意味を持つ。北京以降の世代の台頭こそが、ロシアW杯での躍進の可能性を拡げるのだ。

【了】

戸塚 啓●文 text by Kei Totsuka

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

 

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