北中米は落選→37歳で目指す代表復帰 “ベテラン枠”の招集は否定的「純粋な実力でなければ意味ない」

権田修一が日本代表への思いや、原動力を明かした
ヴィッセル神戸に所属するGK権田修一は、国内だけでなく海外でも活躍し、日本代表にも選出。カタールW杯では守護神として最後尾から支えた。順風満帆に見えるキャリアでも、オーバートレーニング症候群による、長期間にわたる治療など、数々の試練に直面してきた。そんな権田は今もまだ日本代表を目指しており、30代後半を迎えてなお日焼けで泥のような顔になりながら走り続ける原動力に迫った。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・小西優介/全5回の5回目)
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前回のカタール大会で権田は守護神として君臨。世界を驚かせたドイツ、スペイン撃破試合でゴールマウスを守っていた。今回の北中米W杯も目指していたが、選出とはならなかった。それでも権田はW杯という最高の舞台を経験し、いまもなお日の丸への情熱を失っていない。
しかし、代表入りに対する彼のスタンスは、世間がイメージする「ベテランとしての振る舞い」とは一線を画している。
「『チームをまとめてほしい』というベテラン枠で選ばれるくらいなら、若い選手が行ったほうがいいと思っています。その枠を使って若い選手に貴重な経験をさせてあげるべきだからです。僕が代表に入るなら、それは純粋な実力であり、『今の日本代表に権田が必要だ』と言われるパフォーマンスを見せているからでなければ意味がありません」
選考権は監督にあり、立候補制ではない。だからこそ権田が目指すのは、周囲やメディアに「権田は代表チームに必要だよね」と言わせるほどの圧倒的な結果をクラブで残し続けることだと自負しており、「世論から権田がいいんじゃないの?ってなり、メディアの方が『今権田絶好調ですけど、呼ばなくていいんですか?』っていう質問が出るぐらいの活躍をし続けるしかないのかなと思ってます」と、冷静に分析した。
「とりあえず『止めるキーパー』になっておくしかないんですよ。結局、ワールドカップという最大の目標で勝つために求められるのは、失点を最小限に抑え、チームを勝たせるキーパーであること。とにかくパフォーマンスを見せる以外はないのかなと思います。それ以外に僕ができるアプローチはありません。結果を出し続けても呼ばれなければ、それはそれでしょうがないです。最後決めるのは自分じゃないので」
代表への思いを口にした権田。これまでJリーグ、欧州、そして日本代表として活躍してきたが、キャリアは決して平坦な道のりばかりではなかった。FC東京時代にはオーバートレーニング症候群と診断され、長期間サッカーから離れた時期もあった。
さらに負傷以外でも国内外での出場機会の減少など、幾度となく壁にぶつかってきた。挫折の淵に立たされた時、彼を支え、突き動かしてきたものはシンプルなものだった。
「支えになった言葉とか存在というより、答えはすごくシンプルなんです。結局のところ、僕はただサッカーが好きで、練習をして上手くなりたいという小学生の頃と同じ感覚のまま、今もやれているんですよね」
どんなに華々しいキャリアを築いた選手であっても、一度も挫折せずに引退できる人間はいない。世界最高峰の選手ですら壁にぶつかる世界だからこそ、権田は挫折を当たり前ととして受け止めている。
「怪我をしてプレーができない時も『早く復帰したいからリハビリを頑張ろう』となる。試合に出られなければ『出られるようにもっと練習しよう』と思うし、負ければ『次は絶対に勝とう』となる。勝ったら勝ったで『あの最高の瞬間をもう一度味わいたい』と欲が出る。現役でいる以上、この感情の繰り返しなんです」
プロとして何百試合もの真剣勝負を重ね、豊富な経験を積んだ今でも、権田の根底にあるのは「上手くなりたい」というシンプルな答えで、「今の年齢になっても、毎日暑い中でグラウンドに出て、泥みたいな色になるまで日焼けしてサッカーをやっている。その原動力は、子どもの頃と変わらない『サッカーが好きだ』という純粋な思いなんです」とインタビューの最後に力説した。
37歳になった今もなお高みを目指す原動力は、驚くほどピュアな情熱だった。チームを勝利へと導く守護神・権田修一。その挑戦の物語は、少年の頃から変わらないサッカー愛とともに、これからも続いていく。
(FOOTBALL ZONE編集部・小西優介 / Yusuke Konishi)

















