内田篤人コーチの絶大な影響力「一番のポイント」 選手が明かす優勝の舞台裏「学ぶことだらけでした」

なでしこジャパンがアジア大会で3連覇
なでしこジャパン(サッカー女子日本代表)は10月2日、アジア競技大会の決勝で北朝鮮代表と対戦し、2-2からPK戦の末に勝利した。優勝の裏には、内田篤人コーチによるマンツーマン指導の影響があった。
何度もベンチを飛び出した。ときには狩野倫久監督とディスカッションを交わしながら、選手たちに寄り添って声をかけ、背中を押した。試合終了の笛が鳴ると、コーチ陣と抱き合って歓喜の瞬間を噛み締めた。
今大会における内田コーチの役割は主に守備面だった。狩野監督は「相手の攻撃に対して我々がどのように守備をしていくのかということを、ミーティングやトレーニングから一緒になってやってくれました」と、その働きについて説明した。
「もちろんテクニカルサイドでは、上のアナリストとの連携も含めて、ベンチサイドでの彼が感じた攻守におけるポイントをすり合わせて。また、私との確認事項をした上で、様々なシチュエーションの中で、連携を取ってやっていました。そういったところが彼の良さでもあったと思います」
実際に決勝までの5試合では無失点を継続。北朝鮮相手には2失点を喫したが、セットプレーからの失点は0で、守備陣が崩されたシーンもほとんどなかった。準決勝の韓国戦では、スタメンのなかでDF登録の選手が1人だけなど、本職ではない選手たちが起用されることも多かった。
普段はRB大宮アルディージャWOMENでサイドハーフとして活躍するMF浜田芽来も、センターバックやサイドバックで起用された。内田コーチから「自分のサイドは全て自分が守る気でいろ」と言葉をかけられ、その役割を全うした。「本当に説得力ありますし、聞いたら本当にわかりやすく教えてくださるので、すごい自分のためになりますし、学ぶことだらけでした」と振り返った。
決勝戦で先発起用されたDF大箸桜子は、内田コーチにプレー面だけでなく、相手との駆け引きについても相談。「うまくいかない時でも自分の良さを出せ」。その言葉に背中を押された1人だった。
狩野監督が「一番大きなポイントだったんじゃないかなと思います」と話したのが、代表で経験を積んできた内田コーチや近賀ゆかりコーチが植え付けた「自分たちでもできる」という“自信”だった。
「メンタル的なマインドであったり、大きなタイトルのかかった試合に向けての心構えなんかも、選手たちに個別で話してくれた。選手が思い切ったプレーができるようにというところが一番大きなポイントだったんじゃないかなという風に思います」
選手たちは試合後、内田コーチと1対1で動画を見ながらフィードバックを受け、「良さを活かすためにもっとこう動くといい」と細かな指導を受けた。担当する守備面だけでなく、攻撃面でも「欧州のトップレベルを経験したサイドバックの目線」を伝えられたとFW生田七彩が話す。
「自分の良さを生かすために「もっとこういう動きがいいよ」とか、結構細かいとこまで一対一で教えてもらえたので、本当に、なかなかない経験ができたなと思います。『サイドバックだった自分はこうだったら、こういう選手が嫌だよ』とかを教えてくれるので、そういう目線から聞けたっていうのは本当に貴重でした」
過去の代表活動ではMF長谷川唯も「すごくなでしこにとってポジティブな要素が多かったと思う」と話すなど、その影響力は大きい。WEリーグ主体で構成された今大会のチームにも、自らが積み重ねてきた経験を惜しみなく伝えた。
表彰式後のミックスゾーンでも選手のもとに歩み寄り、会話を交わす場面があった。1人ひとりと向き合った3週間。内田コーチの言葉と指導が、選手たちの自信となり、大会3連覇を支えた。
(FOOTBALL ZONE編集部・上原拓真 / Takuma Uehara)



















