千葉→大宮移籍の理由「ここで挑戦したい」 “請負人”が抱く自信…チームは「昇格に値する」

インタビューに応じたRB大宮のカルリーニョス・ジュニオ【写真:轡田哲朗】
インタビューに応じたRB大宮のカルリーニョス・ジュニオ【写真:轡田哲朗】

カルリーニョス・ジュニオが口にするJ1昇格への自信

 RB大宮アルディージャはJ2開幕から第7節を終え、3勝4分の無敗で首位から勝ち点2差につける。新加入選手のブラジル人FWカルリーニョス・ジュニオは、8月の月間MVPに選出された。「昇格請負人」としての期待を背負ってやってきたストライカーは、大宮の未来について「昇格できると信じています」と、冷静ながらも力強く語っている。(取材・文=轡田哲朗)

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 2020年に清水エスパルス入りしたカルリーニョスは、日本でのプレーが7年目を迎えていることに「自分の予想をはるかに超えていますね」と笑う。昨年のJ2でジェフユナイテッド市原・千葉をJ1昇格に導き、今年のJ1百年構想リーグも千葉でプレーした。そしていざJ1の舞台というタイミングで、2026-27シーズンに向け大宮への移籍が発表された。その決断の理由を問いかけると、カルリーニョスは「レッドブル」のワードを口にした。

「千葉との契約が終わったタイミングで大宮が自分に注目し、必要としてくれているという話を聞きました。レッドブルグループは何を目的として、何を、なぜ行うのかが明確です。目標を達成するため、自分が何をしなければいけないのかも明確にしているチームでます。そのプロジェクトや計画に惹かれ、ここに来ました。自分がこれまで思い描いていたビジョンと、自分の気持ちが合致したので、ここで挑戦したいと思いました」

 大宮は2024年夏にNTT東日本からレッドブルへの株式譲渡が発表された。当時J3を戦っていた大宮だが、実は前年のJ2で大宮の降格が決まった試合こそカルリーニョスが出場していた清水戦だった。そんな縁から「大宮の状況を追っていました」と言うカルリーニョスは、スイスでのプレー時代にライプツィヒ(ドイツ)やザルツブルク(オーストリア)の情報を得ていたこともあり、「レッドブルグループが携わるとチームが急速に改善され、上へ進んでいくケースが多いことを見てきました」と、興味を持っていたのだという。

 そうした部分は、現在の大宮にも感じられるという。さまざまな専門分野を持つスタッフが増えた状況を一例に、「どれだけ意識を高く持ち、良いものを提供しようとしているかが分かります」と話し、「各自がやるべきことを把握して取り組んでいます。それは間違いなくプラスです。選手へのサポートも含め、細部までどれだけ突き詰められるかは非常に重要です。そのようなチームに来られて良かったと、日々感じています」と充実感をにじませた。

 そうした環境下、大宮は開幕から3勝4分のスタートを切った。これからJ1昇格を目指す戦いのなか、過去の実績から昇格請負人と呼ばれていることも「認識していますよ」と話すカルリーニョスは、新シーズンに向けたトレーニングキャンプの中で自身の苦しい経験から学んだことをチームメートに語り掛けたのだという。

「難しい時期はどのチームにも、何をしていても訪れると思います。その時に大事なのは、みんなが手を取り合い、乗り越えるために意思を統一し、同じ方向へ向かえるかどうかです。諦めない気持ちを持つこと。同じ目標を立てている以上、どのような時でも、自分たちがやっていることと仲間を信じ続けることです。手を取り合い、自分たちの輪を強くしながら進むことがすごく大切です。苦しい時期は長い場合も短い場合もあります。持っているものをすべて出し切り、みんなで同じ方向を向くことが大事だと話しました」

 現在の大宮には出場機会を得ている若手も多いが、カルリーニョスを含めた経験豊富な選手もいる。それを「模範になる選手がいて、若手がその姿を見ながら育つことも、チームとして狙っているところだと思います。僕たち経験のある選手が、自分たちの姿勢をしっかり表現し、それを若い選手たちに吸収してもらえれば、さらなる飛躍があると思います」と話すカルリーニョスは、チームの未来や目指すべきJ1昇格について、冷静さを持ちつつも自信を見せた。

「自分たちにどれだけの伸びしろがあるか、自信を持っています。『ここがマックスだ』というチームではありません。いくらでも成長できますし、成長しようとするグループです。どの試合を見ても、僕たちは絶対に良くなっていると思います。だから今は焦っていません。自分たちが取り組んでいることを信じ続け、仲間を信じることが一番大事です

 正直なところ、昇格できるかどうかは、それに値するチームなのかが一番問われると思います。自分たちが昇格に値するチームなら、もちろん昇格します。自分たちはまだまだ成長する余地がありますし、もっと良いチームになれると思います。直近4試合の引き分けについても、全く心配していません。これからもっと良いサッカーを見せられると信じています。自分は、昇格できると信じています」

 落ち着いた語り口のなかに、困難に打ち勝ってきた経験に裏打ちされた動じることのない自信をにじませる。昨季の昇格プレーオフで大宮は、カルリーニョスの活躍もあり涙をのんだ。そのストライカーがやってきた今シーズン、2017年以来のJ1復帰へ向け着実に歩みを進めている。

(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)



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