母親として示した姿「出産があったとしても」 背負った日の丸と“使命”「道を示すことができた」

瀬野有希が史上2人目の“ママなでしこ”として先発出場
なでしこジャパンは9月14日、アジア競技大会の初戦でタイ代表と対戦し、8-0で大勝した。追加招集でスタメンに抜擢され、なでしこデビューを飾ったDF瀬野有希(ちふれASエルフェン埼玉)は、史上2人目の“ママなでしこ”としてピッチに立ちフル出場した。
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突然の知らせだった。サンフレッチェ広島レジーナの市瀬千里が負傷のため不参加となり、瀬野の初招集が決定。そこから即デビューを飾り、90分フル出場し、記念すべき1キャップを刻んだ。
右センターバックとして出場した瀬野は、「キックには自信があるので、ロングフィードや攻撃の始まりというところで、ビルドアップや縦パスは特に意識して臨みました」と自身の役割を全うした。対人での守備や競り合いの課題を口にしつつも、持ち味である展開力で攻撃にも参加した。試合展開に応じて「ミドルシュートとかも積極的に狙っていきたい」と語気を強め、「セットプレーで得点にも絡めたらいいと思っています」と残り5試合に向けたゴールへの意欲も見せた。
妊娠と出産を経ての代表入りは、日本の女子サッカー界においても大きな意味を持つ。「妊娠、出産でアスリートを諦めてしまう選手がやっぱり多いと思うんですけど、自分がこうやって復帰して代表で活躍する姿を見せることで、活躍できるんだという道を示すことができたんじゃないかな」。自身の挑戦が次代の希望になることを自覚し、「自分の子供だけじゃなく、他のアスリートだったり、そういう人たちにも勇気を与えられるように今後もプレーしたい」と使命感を口にした。
今大会は日本開催ということもあり、家族の多大なサポートを受けて競技に集中できる環境を整えた。JFAからの支援も受けながら、「親が仕事を休んでくれたり協力してくれたからこそ、プレーに集中できる。そこは本当に感謝したいし、ありがたい」と家族への思いを吐露。タイ戦後に家族とホテルで面会する時間を設けるようで、「なかなか勝てない時期とかも子どもの顔を見ると元気が出るし、勇気が出る」と、再会を心待ちにするママの一面も見せた。
「(子供が)サッカーやるかやらないかわかんないですけど、そういう心を持った強い子になってくれるといいなと思ってます。認知してるかどうかわからないけど、大人になって自分の親がこういう舞台で活躍してたっていうのは子供にとってもいい思い出になると思う」
プロになり、日本代表になるという目標は、「たとえ妊娠、出産があったとしても目指すところは同じだった」と決してブレることはなかった。巡ってきたチャンスを見事に掴み取った瀬野は、「子ども自身も、こういう心を持った強い子になってくれるといいなと思っています」と語り、母として、そして一人のアスリートとして、ピッチで戦う姿を力強く示していく。
(FOOTBALL ZONE編集部・上原拓真 / Takuma Uehara)






















