Jリーグ反則ポイント、名門が残した“驚異的な数値” 2位名古屋、3位浦和…特徴的な「減点方式」

Jリーグでも導入されている反則ポイント
今年の北中米ワールドカップを観戦していて、特に決勝トーナメントに入ってからのファウルの多さに辟易した人は多いのではないだろうか。だが実はフェアプレーを貫くことには、チームにとって大きなメリットが存在している。
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FIFAは、2018年のワールドカップ(W杯)以降、順位決定においてフェアプレーポイントを導入している。
順位決定方法は
1. 当該チーム間(直接対決)の勝ち点
2. 当該チーム間(直接対決)の得失点差
3. 当該チーム間(直接対決)の総得点数
4. グループ全試合での得失点差
5. グループ全試合での総得点数
6. 警告・退場によるフェアプレーポイント
※警告1枚目はマイナス1点、1試合で同一選手が警告を2枚受けて退場した場合はマイナス3点、一発退場はマイナス4点、警告を受けた後に退場になった場合は、マイナス5点
まだまだ活用される優先順位は低いものの、フェアプレーが役立つことにはなっているのだ。
また、1970年メキシコW杯以降、W杯のフェアプレー賞が決定されている。この賞の受賞チームは、FIFAおよび外部のサッカー関係者を代表する専門家からなる審査委員会によって選出される。
ここで面白い傾向が出てくる。歴代のフェアプレー賞受賞チームのリストを振り返ると、非常に興味深い傾向が浮かび上がる。実はたくさんのチームが、フェアプレー賞を受賞するとともに大会を制して優勝していることが分かるのだ。
この歴史の中で特筆すべきは、アルゼンチンの事例だろう。1966年イングランドワールドカップ当時のアルゼンチンは、準々決勝のイングランド戦でキャプテンのアントニオ・ラティンが退場処分を受けるなど、荒いチームとして知られていた。
だが、1975年に就任したセサル・ルイス・メノッティ監督(故人)がチームの意識改革を行い、クリーンなチームへと生まれ変わらせた。その結果、次大会の1978年アルゼンチンワールドカップにおいて、見事に初優勝を果たしている(もっとも決勝では勝ち越した後に何度もクロスボールを手で取ってオランダの攻撃を阻止するなど、今だったら一発で退場になりそうなファウルを繰り返していたが)。
翻って日本のJリーグにおいても、反則ポイントを計算する制度が導入されている。このポイントが少ないチームほど上位となる仕組みだ。
Jリーグの反則ポイントの計算方法はFIFAのフェアプレーポイントに比べても複雑で多岐にわたり、非常に厳しいものになっている。
1. 警告1回につき1ポイント
2. 退場1回につき3ポイント
3. 同一試合における警告2回による退場は警告へのポイント以外に3ポイント
4.「異議」「遅延行為」によるものについては、さらに1ポイント
5. 出場停止1試合につき3ポイント
6. 残り試合数よりも出場停止試合数が多い場合は出場停止試合数分をポイント加算
7. ベンチの選手やチームスタッフに対する処分もポイント加算
8. 他大会の影響で出場できない試合についてはポイント加算なし
9. 警告および退場がなかった試合1試合につき、3ポイント「減算」
さらに
・試合の前後半のキックオフ時刻遅延分数が反則ポイントに加算(キックオフ遅れ1分につき1ポイント)
この制度において最も特徴的なのは、減点方式が採用されている点だ。警告および退場がなかった試合1試合につき、3ポイントを減ずるというルールがある。それに加え、試合の前後半のキックオフ時刻遅延分数が反則ポイントに加算される。キックオフが遅れた場合、1分につき1ポイントが加算されるという徹底ぶりだ。
こうした厳しいルールの中で行われているJリーグで、直近の百年構想リーグにおいて、驚異的なフェアプレーを実践しているチームが存在した。各グループステージの18試合経過時点で、反則ポイントが10ポイント以下だったチームは、素晴らしくフェアだったと言えるだろう。
J1に所属するチームの中で、10ポイント以下の基準を満たしたのは3チームであった。その中でも特筆すべきは川崎で、18試合を終えた段階でマイナス12ポイントというすべてのJクラブの中でもひときわ素晴らしい成績を記録している。次いで、名古屋が2ポイント、浦和が7ポイントとなっており、これらのチームがいかに規律を守って試合に臨んでいるかが数字から読み取れる。
一方、J2及びJ3のカテゴリーにおいては、合計10のチームが10ポイント以下のリストに名前を連ねている。
トップに立ったのは奈良で、マイナス5ポイントという優れた記録を残している。それに続いているのが、2ポイントの愛媛と琉球。さらに、山口が5ポイント、鳥栖が7ポイント、新規参入の滋賀、熊本、福島の3チームがそれぞれ8ポイントで並んだ。また札幌と鹿児島が9ポイントで続いている。
川崎と奈良は特に評価されるべきだろう。試合では勝つことも大事だが、フェアに勝つとどれだけ爽やかなのかはW杯でみんな分かったはずだ。
まだ夏は暑く、気温の高い日が続いている。そのような中、このフェアなプレーをするチーム絡みの試合を見に行くと、いい清涼剤になるのではないだろうか。

森 雅史
もり・まさふみ/佐賀県出身。週刊専門誌を皮切りにサッカーを専門分野として数多くの雑誌・書籍に携わる。ロングスパンの丁寧な取材とインタビューを得意とし、取材対象も選手やチームスタッフにとどまらず幅広くカバー。2009年に本格的に独立し、11年には朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の平壌で開催された日本代表戦を取材した。「日本蹴球合同会社」の代表を務め、「みんなのごはん」「J論プレミアム」などで連載中。





















