18歳の超大型GK、欧州経験の22歳も…転換期のJリーグ「新世代11人」 “未来の日本代表”候補たち

Jリーグ期待の新世代たちに注目【写真:徳原隆元&柳瀬心祐】
Jリーグ期待の新世代たちに注目【写真:徳原隆元&柳瀬心祐】

Jリーグがシーズン移行初年度を迎える、識者注目の11人

 日本のプロサッカー界が、30年以上の歴史の中でも大きな転換点を迎えた。Jリーグはこれまでの春秋制に別れを告げ、2026年8月、欧州主要リーグなどとシーズンの大枠を合わせた「2026-27シーズン」が幕を開ける。

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 この歴史的なカレンダー移行に伴い、2026年上半期に特別大会として開催されたのが「明治安田Jリーグ百年構想リーグ」だ。昇降格のない特別な大会は、各クラブにとって新戦力や若手を試しながら、シーズン移行初年度に向けてチームを構築する貴重な期間にもなった。

 すでに北中米ワールドカップも閉幕し、日本サッカーが新たなサイクルに入る節目でもある。大卒ルーキーや10代の新鋭を含め、多くの若手がこの半年間で存在感を高めてきた。新たなサイクルに入るJリーグで、彼らがどこまで飛躍できるのか。今回はJ1に限定し、2026-27シーズンにブレイクが期待される「新世代の11人」を紹介する。

 新シーズンのJリーグで、GKの若手筆頭として注目されるのがガンバ大阪のGK荒木琉偉(2007年生まれ)だ。195cmという恵まれたサイズを誇る若き守護神は、百年構想リーグだけでなく、AFC U23アジアカップの舞台でも存在感を発揮。シュートストップ能力と勝負強さを示し、日本の大会連覇にも貢献した。18歳ながらA代表への意欲も隠しておらず、新シーズンのJ1で最も注目すべき若手GKの一人だ。

 サイズだけに頼らず、ゴール前での反応や存在感を備えているのも魅力。ガンバでどこまで出場機会をつかみ、成長を加速させられるか。日本代表の将来を考えるうえでも見逃せない存在になる。

 現代サッカーにおいて、ディフェンダーに求められるタスクは守ることだけではない。その意味でも興味深い若手がそろっている。

 G大阪に加入した大卒ルーキーのDF池谷銀姿郎(2004年生まれ)は、筑波大学3年時に関東大学リーグMVPに輝いた逸材だ。強固な体躯に加え、ビルドアップ能力も高く、最終ラインから攻撃を組み立てられる現代型センターバック(CB)。大学サッカー最高峰で示してきた能力を、プロの舞台でどこまで発揮できるか注目される。

 ファジアーノ岡山へ完全移籍したDF大森博(2002年生まれ)は、188cmの高さを誇る大型CB。空中戦の強さに加え、前線へ差し込む縦パスも持ち味で、最終ラインから攻守に存在感を発揮できる。今回取り上げるメンバーの中では、すでに若手としてくくる年齢ではないが、新天地でさらにスケールアップできれば、DFラインの中心を担える可能性は十分だ。

 鹿島アントラーズユースから昇格したDF大河佑悟(2007年生まれ)も将来性十分。アカデミーでキャプテンを務めてきた統率力に加え、希少価値の高い左利きの大型CBという大きな武器がある。ACLエリートという舞台も控えるだけに、鹿島の激しいポジション争いの中で出場機会をつかめれば、一気に評価を高める可能性を秘める。

 そして横浜F・マリノスのDF関富貫太(2005年生まれ)は、桐蔭横浜大学在学中に特別指定選手としてすでにJ1のピッチを経験してきた実力派だ。高い危機察知能力に加え、マリノスのスタイルとも相性のいいビルドアップ能力を備える。大学から予定を早めてプロ入りしたこと自体が、クラブから寄せられる期待の大きさを物語っている。

 中盤から前線にも、新シーズンの主役候補がいる。セレッソ大阪へ完全移籍したMF横山夢樹(2005年生まれ)は、FC今治からJ1にステップアップし、百年構想リーグでも持ち前の突破力を存分に示した。爆発的なスプリントと縦への推進力が最大の武器で、新シーズンはパブロ・マチン監督の下でシャドーへの適応も進めている。個の突破力にチームとしての崩しや連係が加われば、相手にとって非常に厄介なアタッカーになるはずだ。

 清水エスパルスのMF嶋本悠大(2006年生まれ)は、高校時代から世代屈指のクオリティを評価されてきたボランチだ。卓越した配球力と高い戦術理解度を備え、百年構想リーグでは11試合3得点を記録。U-21日本代表にも選出されるなど、着実に評価を高めている。新キャプテンの住吉ジェラニレショーンも太鼓判を押す、ブレイク候補だ。同世代の欧州移籍も続く中で、清水の中盤で確固たる立場を築ければ、さらに大きな飛躍が期待できる。

 大卒ルーキーとして注目したいのが、ジェフユナイテッド千葉のFW松村拓実(2004年生まれ)だ。拓殖大学時代には関東大学リーグ2部で得点王とアシスト王の2冠を獲得。すでに百年構想リーグを経験しており、新外国人エリソンや石川大地とともに、前線の主力を担う期待は大きい。ゴールを奪うだけでなく、周囲を生かす能力にも優れた万能型のアタッカーだ。攻撃の中心に定着するだけでなく、結果でチームを勝たせる存在になれるか。

 攻撃陣において、すでに「期待の若手」という枠を超えつつあるのが、川崎フロンターレのMF大関友翔(2005年生まれ)だ。福島ユナイテッドFCへの育成型期限付き移籍を経て川崎へ戻ると、J1でもその才能を証明。日本代表にも選出され、AFC U23アジアカップでは決勝の中国戦で先制点を奪うなど、世代別代表でも中心的な存在になっている。

 卓越したパスセンスと、一瞬で局面を変える戦術眼。そしてボールを受けるだけではなく、自らゴール前へ入ってフィニッシュにも関われる。2026-27シーズンに求められるのは、単なる「若手の台頭」ではない。川崎の攻撃を動かす中心選手として、どこまでチームを引き上げられるか。昨年のE-1選手権ではA代表も経験した。ロス五輪世代の主力候補でもあるが、五輪を待たずしてA代表に定着し、オーバーエイジという形で五輪に参戦するぐらいの存在になることを期待したい選手だ。

 その大関と同世代の舞台で存在感を高めているのが、ガンバ大阪の未来を担うMF名和田我空(2006年生まれ)だ。高卒2年目を迎えるアタッカーは、卓越した足元の技術とゴール前でのアイデアを備え、「得点も奪える2列目」として高い評価を受けてきた。百年構想リーグを通じてトップチームの競争に揉まれ、プロの強度への適応も進んでいる。荒木とともに、ガンバの次代を象徴する存在になれるか。

 そして前線の注目株が、水戸ホーリーホックのFW内野航太郎(2004年生まれ)だ。筑波大学からデンマークのブレンビーIFへ渡り、百年構想リーグではヴィッセル神戸へ期限付き移籍。そしてこの夏、ブレンビーからの期限付き移籍という形で水戸に加入した。186cmのサイズを生かしたプレーと、ゴールへ向かう迫力は大きな魅力だ。欧州とJリーグの両方を経験してきたストライカーが、新天地の水戸でどこまで得点力を示せるか。ブレイクすれば、世代別代表だけでなく、その先を狙える存在でもある。

 絶対的な司令塔への成長が期待される大関、超大型GKの荒木、欧州経験を持つストライカーの内野。そして大学サッカーからプロへ飛び込んできた池谷や松村など、今回挙げた11人は置かれている立場もキャリアも異なる。共通するのは、百年構想リーグから2026-27シーズンへと続くJリーグの大きな転換期に、自らの価値を高める可能性を持っていることだ。

 秋春制への移行によって、Jリーグを取り巻く環境は大きく変わる。その新たなサイクルの中で若手がどれだけ出場機会をつかみ、クラブの中心へと成長できるのかは、日本サッカー全体の未来にもつながっていく。

 新時代のJリーグで、この11人がどのような輝きを放つのか。そして、その中から日本代表や海外へと羽ばたく選手が何人現れるのか。2026-27シーズンを追ううえで、若手の成長は大きな見どころの一つになる。

(河治良幸 / Yoshiyuki Kawaji)



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河治良幸

かわじ・よしゆき/東京都出身。「エル・ゴラッソ」創刊に携わり、日本代表を担当。著書は「サッカーの見方が180度変わる データ進化論」(ソル・メディア)など。NHK「ミラクルボディー」の「スペイン代表 世界最強の“天才脳”」を監修。タグマのウェブマガジン「サッカーの羅針盤」を運営。国内外で取材を続けながら、プレー分析を軸にサッカーの潮流を見守る。

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