開幕直前の電撃移籍…相談は「あえてしなかったんだと」 主将が聞いた「めちゃめちゃ辛かった」

千葉の鈴木大輔【写真:徳原隆元】
千葉の鈴木大輔【写真:徳原隆元】

千葉の鈴木大輔「『めちゃめちゃ辛かった』と最後、本人に聞きました」

 まもなく開幕する2026-27シーズンのJ1リーグ戦は、ジェフユナイテッド市原・千葉にとって17年ぶりのトップリーグでの戦いとなる。8月8日にサンフレッチェ広島とアウェーで開幕戦を迎える千葉だが、7月28日にクラブの生え抜きで中心選手であり、副キャプテンも務めていたDF髙橋壱晟がヴィッセル神戸への移籍を決めた。

 1日のちばぎんカップで千葉は百年構想リーグを戦った4バックではなく、3バックで戦った。試合後の記者会見で小林慶行監督は「怪我人やコンディション不良、あるいは移籍の問題もあってサイドバックの選手がまったくいなくなってしまった」と、高橋の移籍決定後に「ザ・センターバックを3枚使う」形を試したと明かしている。

 チームの戦い方にも大きな影響を与える移籍になったが、選手の捉え方はどうだったのか。3日に都内で行われたキックオフカンファレンスで、DF鈴木大輔に相談を受けたかと聞くと「たぶん彼もあえてしなかったんだと思っています」と言い、「ただ、(決めるまでの)数日なのかはわかりませんが、そこは『めちゃめちゃ辛かった』と最後、本人に聞きました。いろいろな葛藤が彼にあったと思います」と、クラブを離れる際に髙橋と話したと明かした。

 開幕目前にチームを作り直す事態にもなったが、鈴木も移籍を聞かされたときは「寂しさがこみあげてきた」と、そのときの心境を振り返り、「でも、この世界なので、自分たちがこのチームで一緒にやって評価された結果であると思うので、快く送り出すべき」と、気持ちを切り替えたという。

 鈴木にとっても2021年に加入してから、常に近くにいたのが髙橋だった。「彼に関しては、僕も長くジェフで一緒にプレーしていて、苦しいときからずっとチームを一緒につくりあげてきた選手ですし、すごく責任感が強いのはわかっています。人間的にもチームを引っ張って行く存在だったので、チームにとってのダメージは少なくありません」と、背番号2の移籍の影響を口にしつつも、自分たちがどう対応するべきかにフォーカスした。

「ただ、そこを自分たちがどのように生かしていくか。チャンスと捉えて、チーム全員がリーダーとなって、さらに一人の選手に頼るのではなく、みんなで引っ張っていく空気をどれだけつくれるかだと思っている。個人的に本当に彼のこれからの活躍を応援しています。それはサッカー選手や友人として思っています。残された自分たちは、そこをチャンスと捉えてどうチームをつくっていくか。そこだけしか考えていません」

 今シーズンからJリーグは欧州と同じ秋春制へ移行した。どのクラブも主力選手が引き抜かれる可能性が高まったなか、千葉は欧州からの引き抜きではなく、同じJクラブからの引き抜きという形で、開幕目前に苦しい状況となった。やや強引に前向きに考えるなら、ピッチで結果を出すことでステップアップのチャンスが広がったと若い選手たちが感じ、モチベーションを高めることにつながるかもしれない。

 鈴木も「カテゴリーが(J1に)上がったことによって、(移籍の)間口は海外であったり、同じカテゴリーでもACLに出場するクラブだったりに広がっているとは、みんな感じていると思います」と言い、「ここから大事になるのは移籍がどうこうではなく、自分の選手としての価値を高めるために、1試合であったり1日をどう過ごしていくのかが、本当に問われるのだと思っています」と、新シーズンに向けて一人ひとりに重要となる心構えを説いた。

 百年構想リーグでもEASTの最下位に沈み、アビスパ福岡とのプレーオフにも敗れて20位だった千葉。昇降格のあるシーズン開幕を前に訪れた試練をどう乗り越えていくかが注目される。

(河合 拓 / Taku Kawai)



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