森保Jの“シンデレラボーイ”「非常に面白い存在」 安田理大が期待…チュニジア戦のキーマン

元日本代表の安田理大氏(左)と堂安律【写真:FOOTBALL ZONE編集部】
元日本代表の安田理大氏(左)と堂安律【写真:FOOTBALL ZONE編集部】

FOOTBALL ZONEの公式YouTubeに出演

 日本代表は現地時間6月20日、北中米ワールドカップ(W杯)のグループステージ第2戦でチュニジア代表と対戦する。初戦の強豪オランダ戦を2-2のドローで終え、貴重な勝ち点1を掴んだ森保ジャパン。次なる相手のチュニジアは、初戦でスウェーデンに1-5と大敗。サブリ・ラムシ監督が解任され、エルヴェ・ルナール新監督が就任した。混沌とした状況にあるが、後がないだけに一筋縄ではいかない不気味さを秘めている。日本代表はこの第2戦をどう戦うべきなのか。元日本代表の安田理大氏に、チュニジア対策や鍵を握る注目選手について話を聞いた。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部)

  ◇  ◇  ◇

 オランダ戦の激闘をダラス・スタジアムで見届けた安田氏は、次戦チュニジア戦へ向けて引き締まった表情で語り始めた。

「チュニジアは初戦で大敗して監督も解任され、いまはめちゃくちゃな状況。ただ、チュニジアとしては次の試合に負けたらW杯が終わってしまう。そうなると、少し守備を固めて、それこそ『1-0狙い』のようなサッカーを仕掛けてくる可能性も十分にある。W杯に簡単な試合は一つもないし、間違いなく難しい試合になる。スウェーデンがチュニジアに5-1で勝って得失点差を『+4』稼いでいる。日本はここで勝てば決勝トーナメント進出がほぼ決まり、だいぶ近づくので、この2戦目で一気に決めたい。相手は大崩れするか、逆にガチガチに硬くなるかのどちらか。日本代表として焦ることなく、ある程度気持ちに余裕を持ってプレーできるはず」

 チュニジアは、エリス・スキリ(フランクフルト)やラニ・ケディラ(ウニオン・ベルリン)など、ドイツ・ブンデスリーガでプレーする実力派のボランチを擁している。彼らの特徴を踏まえ、安田氏は警戒すべきポイントを挙げる。

「スウェーデン戦でのチュニジアの失点シーンを見ると、自陣でのミスやハイプレスからの失点、あとはセットプレーが目立ちました。逆にチュニジアの得点はセットプレーのセカンドボールから。日本はオランダ戦でファン・ダイク選手を起点にセットプレーの崩れからやられているので、そこへの警戒心や集中力は間違いなく持って臨めるはずです。

 また、チュニジアは全体的にプレースピードが少し遅いというか、のらりくらりしている印象がある。Jリーグでもよく天皇杯などで下のカテゴリーのチームと対戦した際、相手のペースに合わせてしまってジャイアントキリングが起きることがあるが、日本代表はそのペースに合わせないことが大事。のらりくらりしたチュニジアに対して、キビキビと行くところは行く、引くところは引くという『ハイインテンシティー(高強度)』なプレーを続ければ、間違いなく勝てる」

 チュニジアが引いて守ってきた場合、いかにしてそのブロックを崩すのか。安田氏は「2シャドー」のポジションが最大の鍵になると指摘する。

「オランダ戦でチームのために信じられないほど走ってくれた久保(建英)選手の膝の怪我がすごく心配ですが、この2シャドーのポジションは引き続き重要。スタメンがどうなるかはまだ分からないけど、伊東純也選手や鈴木唯人選手、町野修斗選手、後藤啓介選手と今の日本代表は誰が出ても間違いなくやれると確信している。引かれた相手に対しては、ボールを回しながらどこかで隙を突き、縦パスを入れてそこから一気にスピードアップすることが必要。シャドーの選手がバイタルエリアでボールを引き出し、隙を作ってポケット(ペナルティエリア脇のスペース)を取る裏への抜け出しや、サイドでの個の仕掛けができれば、確実にゴールはこじ開けられる」

 その激戦区であるシャドーのポジションにおいて、安田氏が「彼が出たら非常に面白い存在になる」と大舞台での爆発を予言するのが、MF鈴木唯人(フライブルク)だ。

「鈴木唯人は、今季ヨーロッパで最も成長した選手の一人。実は僕、彼がデンマーク(ブレンビー)にいた頃に、実際に現地まで試合を観に行っている。プレーオフの熱戦を生で観て、『うわ、この選手はやばいな。絶対にW杯に行くわ』と思った。フライブルクに移籍した当初はなかなか試合に出られなかったけど、代表ウィークの期間中に練習試合で活躍し、課題だった守備の部分を改善して完全にポジションを奪い取った。ヨーロッパリーグでも決勝まで行ったし、ゴールを決めながら前に出て行く推進力は圧倒的。

 この間、本人に直接『(骨折していた)鎖骨はどう?』って聞いたら、力強く『グッド』と言っていました。コンディションもかなり上がってきていて、今は試合に出たくてウズウズしているはず。今回のW杯で、彼が日本の『シンデレラボーイ』になり得るポテンシャルは十分にあります」

 また、ボランチの起用法にも注目。安田氏は「親善試合のアイスランド戦でも瀬古のボランチ起用はめちゃくちゃ良かった。チュニジアはアフリカ系特有の身体能力の高さがあるので、瀬古のボランチ起用は非常に面白い選択肢になる」と言及。新キャプテンに就任した板倉滉のピッチに立つ姿への期待も含め、チームの総力戦に太鼓判を押した。

 決戦の舞台は、日本代表が事前キャンプを行っていた馴染みのある地・モンテレイへと戻る。

「天気予報を見ると試合は雨模様のようですが、事前キャンプの時も雨の日はありましたし、試合時間も夜の10時。そこまで暑くはならないはず。気候面での心配は全くなく、日本代表は100%のプレーができると思う。マジで勝って、早くグループステージ突破を決めてほしいですね」

page1 page2

今、あなたにオススメ

トレンド

ランキング