欧州移籍の戦友に「待っていて」 大学期待のレフティー…世界への挑戦「俺もいつか必ず行く」

桐蔭横浜大3年・田島慎之佑「相手の心を折れるような選手になりたい」
4月に開幕した大学サッカーリーグ戦。プロ内定選手、これからプロを目指す選手、そして大学という新たなステージに移行した選手たちが全国各地で激闘を繰り広げる。ここでは大学サッカーのステージで躍動する選手たちをピックアップしていく。今回は関東大学サッカーリーグ1部第10節・駒澤大vs桐蔭横浜大の一戦から、高校時代からのチームメイトを気持ちよく送り出すべく、ピッチサイドを駆け抜けた桐蔭横浜大3年生MF田島慎之佑に焦点を当てる。
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178cmのサイズに加え、レフティーで独特のタイミングを刻むドリブルを武器に、今季からレギュラーの座を掴み取った。この試合でも左サイドから切れ味の鋭い突破を仕掛け、1-1で迎えた前半36分にはMF逢坂スィナが抜け出したプレーに反応し、中央でパスを受けて一時は勝ち越しとなるゴールをたたき込んだ。試合は後半に逆転を許し、2-3の敗戦を喫してしまったが、後半も緩急をつけたドリブルはチームの攻撃のリズムを生み出していた。
「空いたスペースを察知して入り込んでいったり、ドリブルで仕掛けていったりすることはできましたが、もっと相手に怖がられるようなパワーを持った突破やスプリントをできる選手にならないといけないと思っています」
この試合、修徳高時代からチームメイトで同い年のFWンワディケ・ウチェ・ブライアン世雄がデンマーク2部リーグのオールボーに加入することとなり、大学サッカーラストゲームだった。
「高校時代から能力がずば抜けていたので、いずれかは世界に行くんだろうとなと思っていました」
高校時代は怪我に苦しんでいる姿を見てきた。その中で大学サッカーも田島の方が早い段階で桐蔭横浜大進学が決まっていた。「ブライアンはプロに行くのかな」と思っていたそうだが、夏過ぎに大学でも一緒にプレーすることが決まった。
「昨年まで僕はトップに上がることができずに、社会人チームでプレーしていたので、ブライアンと一緒にプレーする機会はなかなかありませんでした。だからこそ、僕ももっと成長して同じ舞台に立たないといけないと思いました」
今年に入ってようやく同じピッチに立てたが、一緒にプレーできたのは半年間弱に終わった。
「ブライアンは怪我が治ればブレイクすると思っていたので、今は『やっとこうなったな』という思いです。僕もブライアンのようにパワフルなプレーができると思いますし、武器はテクニカルなドリブルというより、止められても、止められてもどんどん仕掛けて馬力のあるドリブルをチャレンジして行くところなので、これからもそれをもっと磨いていきたい。今日はブライアンにいボールを送れなかったので、この先、彼には潰れないで上のステージで待っていてほしいですね。俺もいつか必ず行きたいと思っているので」
チームメイトにエールを送りながらも、心の中では熱い炎をたぎらせている。それはンワディケだけに対してではなかった。1学年上で同じ東京の高校サッカーでプレーした日本代表FW塩貝健人にも田島は大きな刺激を受けている。
「僕が1年生の時にも國學院久我山と試合をして、その時に(塩貝も)出ていたのですが、そこまでのインパクトはありませんでした。でも、2年生になってT1リーグで戦った時は1年前と印象が全然違いました。試合前は先輩たちも『塩貝が凄い』と口にしていたのですが、印象がなくて『そんなに凄いのかな』と思っていました。でも、実際に試合が始まると、スピード、パワー、決定力が見違えるほど圧倒的で、彼1人にDFラインが破壊された。前半だけで2点を決められて、後半にはもう交代していました。同じピッチにいて、『そこ行けちゃうの?』と驚くプレーの連発で、もう別格中の別格でした。その1年間の成長と凄まじいプレーを目の前で見せつけられたので、そこから僕もフィジカル強化に取り組みましたし、塩貝選手のように怖さを全面に出して、相手を圧倒することの大切さを学びました」
世界に飛び立った2人の存在。フィジカル、サイズ、そして左利きという武器を持つ田島なら、ここから同じように世界へ羽ばたいていける力は十分にある。
「相手の心を折れるような選手になりたいです。だからこそ、ミスしてもいいから臆することなくどんどん仕掛ける。何回もトライ出来るのが自分の持ち味だと思っているので、それをもっと発揮していきたいと思っています」
(安藤隆人 / Takahito Ando)
安藤隆人
あんどう・たかひと/岐阜県出身。大学卒業後、5年半の銀行員生活を経て、フリーサッカージャーナリストに。育成年代を大学1年から全国各地に足を伸ばして取材活動をスタートし、これまで本田圭佑、岡崎慎司、香川真司、南野拓実、中村敬斗など、往年の日本代表の中心メンバーを中学、高校時代から密着取材。著書は『走り続ける才能達 彼らと僕のサッカー人生』(実業之日本社)、早川史哉の半生を描いた『そして歩き出す サッカーと白血病と僕の日常』、カタールW杯のドキュメンタリー『ドーハの歓喜』、新刊は『ともに歩き出す サッカーと家族と新しい日常』(ともに徳間書店)。講演家としても全国を回っている。元・名城大学体育会蹴球部フットボールダイレクター(2022年〜2026年4月)、現・國學院大學体育連合会蹴球部コーチ。
















