森保J警戒の強敵が激突「2強の構図」 W杯GL初戦の注目カード…運命を左右する「大一番」

2026W杯グループリーグ初戦の注目カード
北中米ワールドカップ(W杯)は出場国が32→48か国へ拡大されたことにより、グループリーグの試合数も従来の64から104に増加した。その分、戦力的なバラツキもあるが、初戦から各組の行方や大会全体の勢力図を占う重要なカードが数多く組まれている。日本vsオランダを除く23試合の中から、初戦で注目したい5試合をピックアップした。(スケジュールは日本時間)
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【ブラジルvsモロッコ】(C組、6月13日午前7時)
F組の日本が1位か2位で勝ち上がった場合、ラウンド32(決勝トーナメント1回戦)で対戦する可能性が高い両国による注目カード。C組はブラジルとモロッコによる「2強」の構図とみられているが、だからこそ初戦の重要性は極めて高い。引き分けであれば両者が優位な立場を維持できる一方、どちらかが勝利して完全決着が付けば、敗れた側は残り2試合で取りこぼしが許されない状況に追い込まれる。首位争いだけでなく、C組の情勢を左右しうる大一番だ。
ブラジルはネイマール(サントス)の初戦復帰が難しい中で、エースのヴィニシウス・ジュニオール(レアル・マドリード)が得意の左サイドから攻撃をけん引する。さらに、6月6日のエジプト戦でゴールを決めたエンドリッキ(リヨン)、中盤の心臓部ブルーノ・ギマランイス(ニューカッスル)らにも期待が集まる。
モロッコは前回大会4強の原動力となったアクラフ・ハキミ(パリ・サンジェルマン)を中心に、スペイン育ちながら、モロッコ代表を選択して初のワールドカップに挑むブラヒム・ディアス(レアル・マドリード)が大会のヒーローになれるか。F組を1位か2位で勝ち上がれば、ラウンド32でC組との対戦が確定している日本にとっても見逃せない一戦だ。
【アメリカvsパラグアイ】(D組、6月13日午前10時)
開催国アメリカにとって、大会の流れを左右する重要な初戦。D組はアメリカ、トルコ、オーストラリア、パラグアイの4か国に大きな実力差がなく、今大会屈指の混戦グループとみられている。
その中で初戦を制したチームは、一気にグループ突破へ近づくことになるだけに、勝ち点3の価値は非常に大きい。日本をPK戦で破ってベスト8に躍進した2010年の南アフリカ大会以来の出場となるパラグアイ。南米勢でも派手さはないが、堅実な戦いでどんな相手とも接戦に持ち込める勝負強さが伝統で、アルゼンチン人のグスタボ・アルファロ監督が率いる今回も例外ではないだろう。
アメリカは”キャプテン・アメリカ”の異名を取るクリスチャン・プリシッチ(ACミラン)、中盤の要であるウェストン・マッケニー(ユベントス)、ハマると怖いFWフロリアン・バログン(モナコ)ら欧州で実績を積む主力が中心だが、地元開催という大きなアドバンテージを生かし、上位進出を狙う。
一方のパラグアイは南米予選で培った堅守とカウンターが武器。フリオ・エンシソ(ストラスブール)、ミゲル・アルミロン(アトランタ・ユナイテッド)らスピードと創造性を兼ね備えたアタッカーを擁しており、中盤からディエゴ・ゴメス(ブライトン)が攻守に強度を発揮する。今月5日に行われたニカラグア戦で負傷交代したエンシソの状態が心配されるが、開催国相手にも臆することなく勝負を挑む。
【コートジボワールvsエクアドル】(E組、6月15日午前8時)
ドイツが本命視されるE組だが、2位争いだけでなく首位争いにも大きな影響を与えそうなのがこのカードだ。初戦で勝利したチームが勢いに乗れば、グループのダークホースとして躍進する可能性も十分にある。
コートジボワールは、6月のフランス戦で決勝ゴールを決めたアマド・ディアロ(マンチェスター・ユナイテッド)を筆頭に、ヤン・ディオマンデ(RBライプツィヒ)ら若い才能が台頭。高い身体能力に加え、技術や戦術理解も向上しており、アフリカ勢の中でも上位進出が期待される存在だ。
対するエクアドルは、ピエロ・インカピエ(アーセナル)が統率する堅守と、モイセス・カイセド(チェルシー)が支配する中盤が武器。南米予選2位という結果が示す通り、その実力の高さに疑いはない。堅守速攻のエクアドルと、高い個の能力を誇るコートジボワール。スタイルの異なる実力国同士の激突は非常に興味深い。
【フランスvsセネガル】(I組、6月16日午前4時)
2002年の日韓大会の開幕戦を思い起こさせる因縁のカードが実現。当時は初出場のセネガルが前回王者フランスを1-0で破る歴史的な番狂わせを演じ、世界中を驚かせた。
2018年優勝、2022年準優勝のフランスは今大会もスペインと並ぶ優勝候補の筆頭格だ。キリアン・ムバッペ(レアル・マドリード)、ウスマン・デンベレ(パリ・サンジェルマン)、マイケル・オリーズ(バイエルン・ミュンヘン)、デジレ・ドゥエ(パリ・サンジェルマン)ら、破壊力抜群の攻撃陣を擁する。
一方のセネガルも打開力抜群のニコラス・ジャクソン(チェルシー)、俊英パプ・マタル・サール(トッテナム)、ディフェンスラインの重鎮カリドゥ・クリバリ(アル・ヒラル)ら経験豊富な実力者を揃える。タレント力なら2002年のメンバーを上回るが、アフリカ勢の中では組織力の高さも強み。24年前の再現となるのか、それともフランスが優勝候補の実力を見せつけるのか。セネガルにはフランスにゆかりのある選手も多いが、グループリーグの中でも特にストーリー性のある一戦となる。
【イングランドvsクロアチア】(L組、6月17日午前5時)
グループリーグでは異例とも言える欧州強豪同士の激突。両国は近年の主要大会で何度も顔を合わせており、お互いを知り尽くした間柄だ。
ドイツ人のトーマス・トゥヘル監督が率いるイングランドは絶対的エースのハリー・ケイン(バイエルン・ミュンヘン)を筆頭に、ジュード・ベリンガム(レアル・マドリード)、ブカヨ・サカ(アーセナル)ら豪華な攻撃陣を擁する。海外サッカーファンなら誰もが知る豪華なスカッドで、自国開催だった1966年以来となる世界制覇を目指す。2列目を担うモーガン・ロジャーズ(アストン・ビラ)は機動力に加えて戦術的な柔軟性も高く、トゥヘル監督の申し子的な存在だ。
2018年の準優勝、2022年の3位と好成績を続けてきたクロアチアは40歳のルカ・モドリッチ(ACミラン)が5回目のW杯となり、代表キャリアの集大成の大会に挑む。ヨシュコ・グヴァルディオル(マンチェスター・シティ)、ペタル・スチッチ(インテル)、マルティン・バトゥリナ(コモ)ら新世代も台頭しており、近年の実績は決して過去のものではない。ハイレベルな攻防が期待されるが、決着は付くのか。
グループリーグは単なる予選ラウンドではない。初戦の結果ひとつで突破争いの構図が大きく変わり、時には優勝候補の運命さえ左右する。ただし、前回はアルゼンチンが初戦でサウジアラビアに敗れるという大波乱もあったが、そこから立て直して優勝した。フランス対セネガル、イングランド対クロアチアは決勝トーナメント級の好カード。一方でアメリカ対パラグアイ、コートジボワール対エクアドルの勝者は台風の目になりうる。日本の対戦相手候補を占うブラジル対モロッコも含め、グループリーグ第1節から目が離せない戦いが続きそうだ。
(河治良幸 / Yoshiyuki Kawaji)

河治良幸
かわじ・よしゆき/東京都出身。「エル・ゴラッソ」創刊に携わり、日本代表を担当。著書は「サッカーの見方が180度変わる データ進化論」(ソル・メディア)など。NHK「ミラクルボディー」の「スペイン代表 世界最強の“天才脳”」を監修。タグマのウェブマガジン「サッカーの羅針盤」を運営。国内外で取材を続けながら、プレー分析を軸にサッカーの潮流を見守る。














