世代別代表の経験なし「エリートの感覚なかった」 苦労人27歳…「俯瞰した」メンバー発表

北中米W杯のメンバーに選出された鹿島の早川友基【写真:河合 拓】
北中米W杯のメンバーに選出された鹿島の早川友基【写真:河合 拓】

鹿島の早川友基「良い意味で俯瞰して見えていたと思います」

 北中米ワールドカップ(W杯)の日本代表メンバー26人が5月15日に発表され、鹿島アントラーズのGK早川友基が選出された。鹿島の所属選手は2018年のロシアW杯に出場したDF植田直通とDF昌子源以来、通算16人目であり、鹿島からのGKは日韓大会のGK曽ヶ端準以来、実に24年ぶりのこととなる。メンバー発表会見はクラブハウスのリラックスルームで、その曽ヶ端GKコーチらと見ていたという早川は、その場にいたチームメイトやチームスタッフに「おめでとう」と声をかけられたという。

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 メルカリスタジアムでの記者会見で「まずホッとした」と笑顔を見せた早川は、「今まで日本代表の活動があるたびに、自分はメンバーに入るか、いつもドキドキしていた。毎回の活動で結果を残すことが次につながると思っていました。今回の発表は、やれることをやりきったなかで発表を待つ形だったので、そのメンバーには入れてホッとしましたし、また次の戦いが始まると身が引き締まる思いです」と、初のW杯メンバー選出の感想を口にした。

 昨シーズンは鹿島のJ1優勝の立役者となり、今季もJ1百年構想リーグでリーグ最少の9失点の堅守を支え、E-1選手権以降は日本代表にも選ばれ続けている。誰もが認める日本のトッププレーヤーとなった早川は、W杯のメンバー発表という通常の日本代表活動とはまた大きく違うメンバー発表を「俯瞰した」状態で迎えられたと口にした。

「日本代表に継続的に呼んでいただいて、そのなかで自分がどういったプレーを日本代表でやらないといけないか、何を求められているかを自分のなかで理解してプレーを発揮していたつもりです。そこからチームに帰ったときに、チームでは何を求められているか、(代表とクラブで)ギャップはありますが、両方に求められることは必ずあるので。

 GKとしてはゴールを守ること、攻撃の起点になることは変わりない。そのベースを変えずに、肉付けしながら『もっともっとできるんじゃないか』と考えながら、取り組んできたからこそ(W杯のメンバーに)選ばれてすごく嬉しいし、やってやろうと思っていますし、(仮にメンバーに)選ばれなくても『まだまだ自分には、力を発揮する能力が足りなかった』と思えていたと思います。そこは良い意味で俯瞰して見えていたと思います」

 その背景には、常に日本代表に選ばれてきたわけではないという思いがあるのだろう。Jの名門である横浜F・マリノスの下部組織から高校サッカーの強豪である桐蔭学園高、明治大とキャリアを歩んできた早川だが、アンダー世代の日本代表に選ばれた経歴などはない。

 だからこそ、自身について「エリートの中にいる感覚はなかった」と、そのキャリアを振り返る。そして、「早い段階で、壁に当たったり、うまくいかないことを経験していることは、自分のなかですごく重要でした」と言葉に力を込めた。

「いざプロに行って、試合に出られなくてつまずく選手はすごく多くいます。自分のキャリアを振り返ると、つまずいたときにしっかり立ち上がって、壁を壊して進んでいくというふうに、今までやることができました。もちろん今回も選ばれた堂安選手のようにずっと小さい頃から代表に選ばれていたキャリアもあるので、どっちが正解とかはないと思います。

 けれども自分なりに、試行錯誤しながら進んできた道を正解にすることが、結果的に重要だと思う。『遅咲きだから』というのもなく、今まで進んできたなかに良い材料があって、その過程があって、ここまで来ることができたのだと思います」

 しっかりと積み上げた末に、辿り着いた世界最高峰の舞台。北中米W杯の26人に選ばれた守護神は、「これから国を背負っての戦いが始まると思いますが、そこで自分のパフォーマンスをどれだけ出せるのか。普段の日常が問われる場所だと思います。そこに行って、自分が『これだけやれた』と感じられるか。それとも『まだまだ、もっともっと取り組まないといけない』と感じるのか。それは行った先でしか感じられない。そこに行って次の課題であったり、もっともっとサッカー選手として良い選手になっていくために、どういうことをしていかないといけないかは、後々わかると思っています」と言い、W杯にも選手として、さらに成長するヒントがあるはずと目を輝かせた。

(河合 拓 / Taku Kawai)



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