“練習1回”で劇的変化の浦和 敵将も「困った」戦術…選手らも実感「大きな違いだった」

監督交代で変化を実感した選手たち【写真:徳原隆元】
監督交代で変化を実感した選手たち【写真:徳原隆元】

浦和は川崎に2-0で勝利

 浦和レッズは4月29日のJ1百年構想リーグの第13節で川崎フロンターレに2-0で勝利した。前日にマチェイ・スコルジャ監督との契約解除と田中達也アシスタントコーチの暫定監督就任が発表されたチームだが、わずか1日の確認で表情のかなり違うゲーム運びを見せた。

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 浦和はスコルジャ監督からの交代劇が起こった28日の夕方に堀之内聖スポーツ・ダイレクター(SD)が取材対応を行い、田中暫定監督の指揮下で行った練習が1回だけだったことを明らかにしていた。それでも試合が始まってみれば、今季の浦和にありがちだったロングボールを前線に当てて押し上げる形ではなく、後方から選手の配置を整理してグラウンダーでつないでいく形に大きな変化をしていた。

 川崎の長谷部茂利監督は試合後に「大きくは変えられないし、変わらないと思ったんですが」としたうえで「ボールのつなぎのところが変わりました、長いボールが少なくなりました」と、浦和の印象を話した。実際に攻撃時には左サイドバックのDF長沼洋一を前に出して右のDF石原広教が内に絞る3バックへ変化をしたところから、MF中島翔哉とMFマテウス・サヴィオを起点にして前進する姿が目立った。前半そこからのゴールは生まれなかったが、これだけ長い時間を浦和がポゼッションし、グラウンダーのパスが大多数という光景は久しく見ないものだった。

 田中暫定監督は「いつものポジションローテーションがあって」と多くを語らなかったが、長谷部監督は「8番(サヴィオ)と10番(中島)が我々のサイドハーフの後ろで受けに来たところが困ったところであり、彼らが上手くアタッキングサードに入ってこられる。しかも、それが相手のキープレーヤーだったことが浦和さんに分があったと思いました」と戦況の分析を話していた。いわゆる「可変システム」と呼ばれるものだが、川崎の守備ブロックのギャップを突く配置が目立つ試合展開だった。

 浦和のダブルボランチでMF安居海渡は「ビルドアップの時は必ず3枚という話があって、自分たちボランチはとにかく真ん中に残って欲しいと。落ちてもいいけど、なるべく相手FWの後ろに立っていてほしいと」いう整理があったと話す。また、MF渡邊凌磨は「今までだったら多分、(相手が)来たら前に蹴って(いた)。そこでセカンドボール回収というところじゃなくて、時間を作りながらできたというのも一つ大きな進歩かなと思うので、そういった意味でも無理なロングボールは蹴らなくていいのかなと思います」と、戦い方の変化を振り返った。

 これまでロングボールの競り合い担当が多かったMF金子拓郎は「ジャンプが一番、足に来るというか、ターゲットになるのが多くて、ふくらはぎに来ていたんですけど、今日はゆっくりボールを持つシーンもありコントロールできていたので、いつもより体力を温存しながらゲームを進められたと思います」と話す。そのボール保持の側面は後半9分の先制後、反撃に出る川崎が持つ時間が長くなり始めた時間帯にも副産物の効果としてプラスになった。

 石原は「立ち位置が良いからつながるし、(ボールを)失っても距離感が良いからすぐに取り返しにいける。あれだけボールを持つ時間があったから、守備で最後に抑えきるところの体力が残っているのが今日は大きな違いだったと思います。プレスもそうだし、最後にペナルティーエリア内で寄せきるところも、自分たちがボールを持って攻めているからこそいけた部分もあったと思います」と、ゲーム全体の好循環を生むキッカケになったことを話した。

 田中暫定監督は攻撃の要素について「半年間、選手と一緒にいて個人のストロングとゴール前のアイディアがあるのは分かっていました。アタッキングサードでは強みを出してくれということだけです。ミドルゾーンまで安定して持っていくことにこだわった。それにより攻撃の回数が増えたと思います」と振り返った。ボールポゼッションの時間が増えて安定したことは、ゲームをトータルで見た時に安定感を出した。監督交代から1日の準備で変化した浦和が、残りの百年構想リーグで反撃に出られるのか注目される。

(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)



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