Jで生まれた幸せのイエローカード ゴール決めてスタンド直行…妻からの手紙で「特別な1日に」

川崎フロンターレのマルシーニョ【写真:徳原隆元】
川崎フロンターレのマルシーニョ【写真:徳原隆元】

川崎FWマルシーニョが千葉戦で決勝弾

 なかなか見ない幸せなイエローカードだった。4月25日のJ1百年構想リーグ第12節でジェフユナイテッド市原・千葉をホームに迎えた川崎フロンターレは、素晴らしい試合の入りを見せて前半6分にMF山本悠樹のゴールで先制する。しかし、そこから追加点は挙げられずに後半40分にはDF石尾陸登に同点ゴールを決められた。

 後半に入ってオープンな展開となっていたが、後半18分に投入されていた川崎のFWマルシーニョが試合を決めた。MF脇坂泰斗からマルシーニョがラストパスを受けると、マークについていたDF高橋壱晟が、さらに大外にいた選手を警戒しにいく。結果、フリーになったマルシーニョは迷うことなく右足を振り抜き、楽々とゴール右隅に得点を決めた。

 決勝点を挙げた23番は、「すごく速いプレーのなかでした。ボールがヤス(脇坂)の足下に入った時に、彼がシュートを打つか、自分の足下にボールが来るかなと予測していました。もし自分のところにボールが来るのであれば、落ち着いて、まずはボールを止めること。ボールを止めることさえできれば、シュートは打てるイメージがあったので、そこだけに集中して、あとはイメージ通りにシュートを打つことができました。自分をマークしていた選手が、もう一人サポートにいた選手のマークに行ったので、自分はフリーだなと感じられていました」と、得点シーンを振り返った。

 今シーズン初ゴールを決めると、その後も迷いはなかった。メインスタンドに向かって走っていったマルシーニョは、スタンドの前では止まらずに客席の中まで入って行き、この試合を見守っていた妻と8歳と3歳の2人の娘のところまで一気に駆けて行き、抱き合って喜んだ。

 試合が行われる等々力陸上競技場に到着して、試合に向けた準備をする際にマルシーニョは自分の荷物のなかに一枚の紙が入っていることに気がついた。それは妻のダニエラさんからのメッセージであり、びっしりと文字が書かれていた。そこには「私たち家族はあなたを信じている。今日は必ず、やってきたことが結果に出るから頑張って」といった内容が書かれていたという。

 これを読んだマルシーニョは、この試合でゴールを決めたら、いつもの場所で自分を見守っている家族のもとへ行こうと決めていたという。「今シーズンはチームにとってもなかなか難しいシーズンですし、自分もゴールを取れていませんでした。それでも家族はいつも自分の支え、力になってくれたので、それもあって今日ゴールを決めたら家族と喜びたいと思っていました。書いてあったとおり、自分のことを信じて、家族が支えてくれて、結果につながった。そういう気持ちがあったので、スタンドに駆け上がってしまいました。あのゴールでチームも勝てて、特別な1日になりました」と、笑顔を見せた。

 スタンドへ喜びに行ったマルシーニョには、イエローカードが出された。だが、こんなに幸せなイエローカードもなかなかないだろう。ただ、チームメイトで巻き添えを食った選手もいた。一緒に喜びに行ったMF宮城天も、今季初のイエローカードを受けたのだ。マルシーニョは顔をクシャクシャにして「ゴメンなさいね」と日本語であやまり、「でも、みんなで掴んだ勝利だったので、みんなで喜べて良かったです」と、彼個人にも、チームにも大きな今季初の90分での2連勝を喜んだ。

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