大怪我を支えた妻の存在「生活を犠牲にして」 4度目のW杯…キム・スンギュの記憶に残る「あの勝利」

FC東京の守護神キム・スンギュが語る4度目のW杯
昨年6月にサウジアラビア1部アル・シャバブ・サウジからFC東京に完全移籍をしたGKキム・スンギュ。韓国代表の守護神としても活躍し、自身4度目となるワールドカップ出場を目指す青赤の守護神に現在の心境を聞いた。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・上原拓真/全2回の第1回目)
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大怪我からの再出発を経て、3年ぶりにJリーグへの復帰を決断したスンギュ。悲劇が襲ったのは2024年に行われたアジアカップの最中だった。トレーニング中の負傷で、右ひざ前十字じん帯断裂の診断を受けた。そこから復帰を目指したリハビリの日々。モデル業でも活躍する妻のキム・ジンギョンさんの支えもあり、トップレベルにまで復帰することができた。
「妻の存在はとても大きかったです。生活を犠牲にして自分に寄り添ってくれた。妻のサポートがあったからこそ、辛いリハビリも乗り越えることができましたし、今こうやってFC東京でプレーができていると思っています。本当に感謝しています」
昨年6月の加入以降、すぐさま正守護神として存在感を示した。一時は降格圏に沈んだ東京で好セーブを連発し、幾度もチームを救った。途中加入のDFアレクサンダー・ショルツ、DF室屋成らとともに、残留争いに足を踏み入れていたチームの守備を立て直した。
2月に開幕した明治安田J1百年構想リーグでは、第11節終了時点で失点はリーグ2位の少なさとなる「8」。複数失点はわずか1試合にとどまっている。スンギュだからこそ防げたシュートシーンも多く、ショルツも「スンギュがいれば大丈夫だよね」と絶大な信頼を寄せる。実際に百年構想リーグのセーブ率では、鹿島アントラーズのGK早川友基(82.8%)に次ぐ、72.4%を叩き出している(10試合以上出場の選手が対象)。
東京での好パフォーマンスが評価され、同年9月には韓国代表に復帰。その後はメンバーに定着し、自身4度目のワールドカップ出場も視野に入ってきた。右膝に大怪我を負った当初は別の目標を掲げていたというが、東京でパフォーマンスを取り戻したことで、4度目となる大舞台への思いが再び燃え上がった。
「当初は違う目標がありましたが、ありがたいことにW杯を目指せる状況になっています。ワールドカップも近いですが、Jリーグも大事な時期。どちらでも結果を出せるよう、日頃から準備しています。一番は怪我をしないこと。今の状態はとても良いので、このコンディションを維持することが大切だと思っています」
前回のカタール大会で、韓国代表はウルグアイ代表と0-0、ガーナ代表に2-3で敗れたが、ポルトガル代表に2-1と大金星を上げ、グループリーグを勝ち進んだ。しかし、ベスト16で対戦したのは王国ブラジル。1-4の敗戦でスンギュにとって3度目のW杯は幕を閉じた。
スンギュ自身、韓国代表として一番記憶に残っているのがカタール大会でのポルトガル戦。「あの勝利があったからこそ、韓国のサッカーがまた一歩前進できたと思っています」。自分にとっても、韓国サッカー界にとっても重要な勝利だったと回想する。
そして、いよいよ4度目の大舞台がやってくる。韓国代表のメンバー発表は5月16日に行われるが、スンギュは「まずは東京で練習に取り組むことが最優先です」と平常心を貫く。それでも、国を背負って戦うW杯には特別な思いがある。
「メンバーに選ばれたのであれば、韓国代表としてベストを尽くしたい。もちろん、高い目標を持つことも大切ですが、まずはグループステージ突破が第一です。一試合一試合を全力で戦い、その先にある結果を掴み取りたい。でも、すべてはFC東京での活躍の先にあると思うので、そこは大事にしたいですね」
大怪我を乗り越え、4度目のW杯へと向かうスンギュ。韓国代表として、そして青赤の守護神として。35歳のベテランが、キャリアの集大成とも言える大舞台に挑む。
(FOOTBALL ZONE編集部・上原拓真 / Takuma Uehara)





















