カズの先発抜擢「得点の予感が」 惜しいシュートも…表情厳しく「ゴールしないと」

カズはFC岐阜戦で先発出場し、21分までプレーした
J3福島のFWカズ(三浦知良)が、ゴールへの意欲を口にした。カズは4月19日、ホームのとうスタで行われた百年構想リーグのFC岐阜戦に先発出場。開幕戦以来の先発、6試合ぶりの出場で21分間プレーしたが、期待されたゴールは生まれなかった。開始6分に右クロスに頭で合わせた今季初シュートも枠外。1-2と試合に敗れたこともあり「ゴールしないと」と厳しい表情で話した。
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背番号11が、ピッチを駆けた。開始6分、ファーサイドを狙った右クロスに合わせるようにジャンプ。絶妙のタイミングのヘディングシュートにスタンドも揺れたが、ボールは枠を左に外れてノーゴール。大歓声はため息に変わった。
2月7日の開幕甲府戦以来のスタメン。動きは比較できないくらいによかった。前回はコンディションも万全ではなく、直後には体調を崩して戦列からも離れていた。調子を戻して第4節からベンチ入り。出場は第5節の長野戦の1分だけだったが、練習試合では最長52分間プレーするなどコンディションを上げてきた。
開幕戦の先発は予想もしていなかったが、日々のトレーニングでも手ごたえをつかんでいたこの日は準備もできていた。「開幕戦とは大きくコンディションが違った。余裕もありました」。だからこそ、目に見えて、記録にも残る形で結果がほしかった。
寺田周平監督は59歳の状態が上がっていたことを口にし、先発起用について「トレーニングやトレーニングマッチでゴールへの関りが良かった。得点の予感があった」と話した。もちろん、期待するのはゴールやゴールに絡むプレー。短い時間でも「スターター」として使うのは、カズのゴールでチームに勢いをもたせるためでもある。
5試合連続でベンチを温めた前節12日のいわき戦後、カズは「もっと監督にアピールしないと」と出場を目指して話した。翌13日に行われた山形との練習試合ではゴールこそなかったもののチャンスに絡むなど寺田監督の前で猛アピール。紅白戦で得点するなどアピールを続けて、40歳近く若い選手とのスタメン争いをものにした。
監督からの指示は「積極的に前でプレーを」というゴールを期待するもの。しかし、得点はできず「短い時間でも決めないと(監督の)信頼は得られない」。惜しいシュートを放っても「枠に飛ばさないと」と悔しそうに言った。
寺田監督も「シュートもあったし、ゴールに近い場所にいる時はよかった」とカズのプレーを評価しながらも「欲を言えば、チームとしてカズさんがいる時に得点がほしかった」と厳しい言葉も。交代枠を犠牲にしかねない「スターター」起用を成功させるためには、ゴールが、アシストなどゴールに絡むプレーが必要だ。
過去3年間、ポルトガルでもJFLのアトレチコ鈴鹿でも、出場時間が短いこともあってゴールは奪っていない。Jリーグでのゴールは横浜FC時代の17年以来ないし、公式戦の得点もJFLの鈴鹿ポイントゲッターズで2ゴールした22年シーズン以来ない。
この日、岐阜はクラブの礎を築いた元社長で16日に亡くなった元社長の今西和男氏を悼んで喪章をつけてプレーした。日本協会幹部として日本代表強化にも関わっただけに、カズも「もちろん、よく知っているし、残念」。さらに、この日は叔父で清水サッカーの発展にも寄与した納谷聖司氏の一周忌。だからこそ「ゴールしたかった。勝ちたかった」と、チャンスを生かせなかったことを悔やんだ。
コンディションが良化して、動きはよくなった。いつも通り「いい準備をして、次の試合に備えたい」とだけ話したが、24日からは大型連休で日程も密になり、さらに出場のチャンスは増えそうだ。「手ごたえとしては45分いっても大丈夫というぐらいのフィジカルコンディション」というだけに、ゴールへの期待はふくらむ。
かつて試合ごとに舞われ、子どもたちに流行し、若いJリーガーまで真似をした「カズ・ダンス」。公式戦でしか踊らないため、最後の披露から3年半近くが過ぎて「幻のダンス」化してきた。加入直後、寺田監督も「僕も見たい」と話した歓喜のダンスが見られる日も、そう遠くなさそうだ。
荻島弘一
おぎしま・ひろかず/1960年生まれ。大学卒業後、日刊スポーツ新聞社に入社。スポーツ部記者として五輪競技を担当。サッカーは日本リーグ時代からJリーグ発足、日本代表などを取材する。同部デスク、出版社編集長を経て、06年から編集委員として現場に復帰。20年に同新聞社を退社。



















