咄嗟にコース変え「あれは天才」 “自画自賛”の土壇場弾…ゴール期待値トップに「昨季と違う」

名古屋の木村勇大【写真:徳原隆元】
名古屋の木村勇大【写真:徳原隆元】

名古屋FW木村勇大は福岡戦で1ゴール1アシスト

 名古屋グランパスは4月19日、百年構想リーグ西地区第11節でアビスパ福岡と対戦し、PK戦の末勝利を収めた。この試合で1ゴール1アシストを記録し、土壇場でゴールを決めたFW木村勇大が、今季好調を維持する自身のプレーについて、昨季との違いについて語った。

 今季チームを引っ張るWエースの1人がチームを救った。パロマ瑞穂スタジアムの改修工事後初の試合となった福岡戦。前半は福岡に優位に進められ、0-2とビハインドを強いられた。それでも後半にチームは猛攻を仕掛けると同38分、こぼれ球を拾った木村が浮き球のパスを届け、裏に走り込んだMF浅野雄也が頭で合わせて1点を返す。

 そしてスタジアムのボルテージが上がるなか、木村が大仕事をやってのける。アディショナルタイムは2分を過ぎたところ。ゴール中央やや左でボールを受けたMF小野雅史が思い切り振り抜くと、シュートは枠を少し外れたコースに飛んで行った。しかしそこに木村が入り込んでおり、鋭いシュートに対して左足で咄嗟にコースを変えた。ボールは逆を突かれた相手GKの手の先を転がり、土壇場で名古屋が同点に追い付いた。

「よく反応しましたね、あれはもう天才。奇跡」と自画自賛。それでもゴールは偶然生まれたものではなく、ある意味必然ではあった。

 木村自身も「クロスの時にどこにいるかは、前の試合で点決めた時みたいに、結構自分の中で整理できてきている。例えば、最後のマサくん(小野雅史)のシュートの場面、僕は左シャドーだったので、普通の原則的な立ち位置だったら多分あそこじゃなくて、もうちょい左の外側で、ペナルティーエリア角らへんのはずなんですよね。けどじゃあそこにいて点取れるか取れないかって言ったら、多分取れる確率の方が低いっていうところで、まずいいポジションが取れた」と解説した。

「マサくんが足振り抜いた瞬間に、『ワンチャン来るかな』みたいな。最初はこぼれ狙おうと思っていたら、弾道的にこっち来たのが見えたので、いい感じで足に当てられて。でも、足当てられたのも技術かもしれないけど、個人的にはそこを狙い続けてあそこにフリーで入れたっていうのがあって。自分の後ろに相手いたのも把握して、オフサイドじゃないのも分かっていて、っていうポジションを取れたのが全てかなと思います」と、ゴールへの嗅覚、ポジショニング、相手の位置、そして最後の合わせる技術、すべてが詰まったゴールだと言及している。

 今季好調を維持している木村だが、相手にとってより脅威な選手へと成長していることはデータも示している。PKを除くゴール期待値(4月13日時点)は、木村が「3.9」を記録。昨季得点王で今季も6得点を決めている鹿島アントラーズFWレオ・セアラと、3得点のヴィッセル神戸FW小松蓮(ともに3.4)を抑えてリーグトップに立っている。

「まず大事なのはやっぱりシュートを打てていることが昨季と違う。ゴール期待値が高いっていうのは、入りそうなシュートを打てているとか、いいポジションで打てていることだと思うので」としつつ、「去年はシュートが打てない試合があったり、チームによって戦い方は違いますけど、ヴェルディの時も打てない試合がすごい続いていて」と、苦悩した日々を過ごしていた。

 そこで「じゃどうするかってなかで、監督が代わって攻撃的なサッカーになって、シュート打てるポジションにいてシュートを打つのが一番大事だと思いますし、それが入るか入らないかはもちろん技術ですけど、普通に考えて1本打つより10本打った方がゴールに入る確率は高いので。それをやり続けるのと、それをやり続ける位置にいつづけるっていうところがその期待値にも表れていると思う。今日も別に1分の1で決めたわけじゃないので、やり続ける、そのポジションをいかに意識して取り続けるかが大事なんじゃないかなと思います」と、昨季との変化や取り組んでいることを明かした。

 昨季は長谷川健太監督のもと、1トップで起用されることもあったが孤立する場面も散見された。今季よりチームは攻撃的なスタイルのミハイロ・ペトロヴィッチ監督を招聘すると、木村は主に左シャドーでスタメンに名を連ねている。

 そして木村はこれでリーグ戦5ゴール目。昨季は途中まで東京ヴェルディでプレーし、夏に名古屋への移籍を決断。シーズン通して公式戦5ゴールだったが、今季は11試合ですでにゴール数で並んでいる。

「去年とチームも戦い方も違うのでなんとも言えないですけど、ゴールへの意識が強くなっているのと、そのポジション取りの工夫を去年より相当意識して練習の中から落とし込んでいて、自分の中でできているのが大きいんじゃないかなと。あとはやっぱり点決められるとノるので。でも俺はやっぱり複数得点を取りたい。1、1で重ねるのも大事ですけど、得点王とかランキングで上にいる外国人のストライカーって固め取りするし、毎試合決める中で複数得点取ることができたら、もっと自分としても勝ち上がっていくんじゃないかなと思うので、もっと点を決めれるように頑張りたいです」

 好調ながらも25歳の重戦車ストライカーは、現状に満足せず常に上を見ている。FW山岸裕也とともにWストライカーとして牽引するなか、チームを西地区のトップに導くことができるのか。さらなる活躍に期待が寄せられる。

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