Jリーグ1年で退団して「バルセロナに行く」 世界を驚かせた17歳…同期から受けた刺激

昨季で札幌で現役引退した深井一希【写真:加治屋友輝】
昨季で札幌で現役引退した深井一希【写真:加治屋友輝】

深井一希「札幌で1年プレーして、バルセロナに行くことしか考えていなかった」

 北海道コンサドーレ札幌のMF深井一希は、昨シーズン限りで13年間のプロ生活に終止符を打った。今年からは札幌U-18のコーチに就任し、指導者としての第一歩を踏み出した“不屈の漢”。度重なる膝の大怪我との戦いだったキャリアをインタビューで振り返る。第4回は、アカデミー時代の世界での経験。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・工藤慶大/全5回の4回目)

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 札幌出身で、世代別代表の主力として若くして頭角を現した深井。2011年のU-17ワールドカップ(W杯)で世界の舞台で活躍すると、「札幌で1年プレーして、バルセロナに行くということしか考えていなかったですね。本当に強気で、自分にとてつもない自信を持ってプレーしていましたね」と当時を振り返った。

「U-17ワールドカップに出てのトップ昇格で世界を見てというところで、世界に出ていかなければいけないと自分でも思っていました。当時のバルセロナは黄金期で、特に(セルヒオ)ブスケツが僕の好きなポジションにいて、『あいつの次は俺だ』と、かなり強い気持ちで本気で行くと思ってやっていました」

 グループリーグでアルゼンチンを3-1で破り、準々決勝ではブラジルに2-3で敗れてベスト8。「U-17で世界との差を感じた後に、すぐ一つ上の世代の代表に呼んでもらえて、そこでも自分のプレーをできたというところで、ちょっとこれは行けるぞみたいな」。2012年11月に翌年のトップチーム昇格が決まった。

「札幌も当時は弱かったので、自分がこのチームを変える、変えられるでしょみたいな、そういう舐めた感じで入ってきていましたから。まあ、そういうところが良くなかった(苦笑)。でも、その自信はすごく大事だなとも思いますけど、もっと人の話を聞いたりというところは必要だったかなと思いますね」

 当時のメキシコで見た景色は、14年が経った今でも鮮明に覚えている。「リゾート地みたいなところで、一日中オフの日とかもありました。危ないということで、バス移動するたびにポリスが銃を持ってずっと付き添ってとか。U-17でもすごくVIPな待遇だったなというのは覚えていますね」としみじみと語る。

“94ジャパン”とも呼ばれるこの世代。この大会にもGK中村航輔(セレッソ大阪)、DF植田直通(鹿島アントラーズ)、DF室屋成(FC東京)、MF喜田拓也(横浜F・マリノス)、FW中島翔哉(浦和レッズ)、FW南野拓実(ASモナコ)らが選出され、その後は欧州や日本代表として飛躍していった選手たちも多い。

「若いときはめちゃくちゃ刺激になっていましたし、俺も負けてねえぞという気持ちで、自分も早くステップアップしたいと思っていましたけど。やっぱり怪我してとなっていくと、そこに変なライバル心みたいなのはもうなくて。自分もしっかり自分の道でやっていけたらなと、変わってきたかなと思います」

 現在も日本代表の主力を担う南野に対しては、「たぶん一番先にデビューして、ザルツブルクへ一番最初に行ったというところで、すごく刺激になっていました。南野と中島は自分の世代でトップの選手だったので、負けたくないなとは思っていましたね」。そんな同期との交流は、今でも続いていると明かす。

 プライベートでも食事に行くなど友人のような関係性だが、誰かが怪我したときにはすぐに連絡を入れる深井。「なんかもう人の怪我を放っておけないくらいになっちゃって、連絡するというか自然にしているというか、そんな感じですかね」。若き日に世界と戦った絆は、互いに心の支えとなっているようだ。

(FOOTBALL ZONE編集部・工藤慶大 / Keita Kudo)



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