現役Jリーガー&高校コーチ“異例の二刀流” 批判の声も…感じた「やってよかった」

インタビューに応じた深井一希【写真:工藤慶大】
インタビューに応じた深井一希【写真:工藤慶大】

深井一希「僕も加われなかったのは、すごく朋樹に対しても申し訳なかった」

 北海道コンサドーレ札幌のMF深井一希は、昨シーズン限りで13年間のプロ生活に終止符を打った。今年からは札幌U-18のコーチに就任し、指導者としての第一歩を踏み出した“不屈の漢”。度重なる膝の大怪我との戦いだったキャリアをインタビューで振り返る。第3回は、指導者としての目標について。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・工藤慶大/全5回の3回目)

【PR】ABEMA de DAZN、2/6開幕『明治安田Jリーグ百年構想リーグ』全試合生配信!毎節厳選6試合は無料!

   ◇   ◇   ◇

「5年以内に色々な経験を積んで、このトップチームに帰ってきたいなと思います。そこで監督として、自分のやりたいサッカーがあるので、タイトルをもたらしたいなと思っています。現役のときに僕は『海外に行きたい』とずっと言っていたので、その夢を指導者として叶えたいなという気持ちはあります」

 現役時代には財前恵一、イヴィッツァ・バルバリッチ、四方田修平、ミハイロ・ペトロヴィッチ、岩政大樹、柴田慎吾と6人の監督のもとでプレーした深井。指導者としては「攻撃的なサッカー」を目指すと宣言するが、7年間をともにしたミシャとは、「またちょっと違うかなと思いますね」と笑顔を見せる。

「細かいことになってしまうのですが、助け合いというか、ボールを持っている人に対してのサポートの質で剥がすというか。たくさんの選択肢を与えて、いろんな選手がつながって、というサッカーを見せたいなとは思っています」

 欧州サッカーにも精通し、「シャビ・アロンソのサッカーが僕はすごくいいなと」と目指すイメージを語る。「でも、ちょっとレアル・マドリーを見ると少し難しそうだなと思っていたのですけど。レバークーゼンのシャビ・アロンソはものすごく魅力的でしたね」。また、Jリーグの対戦相手からも学びを得た。

「新潟のときの松橋(力蔵)さん(FC東京)のサッカーは、すごく見ていて面白いなと思いました。一つのボールに対していろんな選手が関わるのは面白いと思いますし、そうやってつながればすごくいいものができるというのはプレイヤーとして感じたので、それをなんとか落とし込めたらいいなと思います」

 一方、昨シーズンはJ2で12位に沈み、チームの一員としてフットボールの難しさも知った。「まず、パスコースがあまりにも少なすぎる。一つのボールに対して隠れているところが多く、それだったら相手も守備しやすいなという状況が多すぎたなと」。もどかしさを感じながらも、最後まで修正できなかった。

「それを打開するのは個の力しかないけど、それだけだと限界がある。メッシがいるわけではないので。一個のボールが動くたびに一人一人がポジションを変えないといけないし、パスが出たら他の選手がまたそのボールに対して動き直さないといけない。そういう予測してつながっていくのが足りないですね」

 自身が試合に出られず、「こう言うと批判みたくなってしまうので難しいですけど」としながらも、「でも、やっぱり選手一人一人のクオリティもまだまだ足りないと思います。それは、日常の練習を見ていても出ていたので」と深井。キャプテンのMF高嶺朋樹(名古屋グランパス)には、申し訳なさも感じた。

「朋樹はプレーでも若手を引っ張ってくれましたけど、一人だとどうしても厳しい。そこに僕も加われなかったのは、すごく朋樹に対しても申し訳なかったなと思います。口で言うのは簡単ですけど、プレーで見せないと若手はついてこないとわかっているので。そこはプレーで見せたかったなとは思いますね」

 また、昨年は現役選手と並行して北海学園札幌高校、北星学園大学附属高校で外部コーチとして指導。「普通ではありえないです。でも、人生行動したもん勝ちだなというので、チームにも許可をもらって行かせてもらいました。これは間違いなくやってよかったなと思います」と、異例中の異例の挑戦をした。

 深井の耳には「自分の練習しろ」「アカデミーに行けよ」といった声も聞こえてきたというが、「でも、コンサドーレ以外を見たいのもありましたし、高校生たちにも刺激的なこと。それをプロのキャリアのなかでやれるのはメリットしかないと思いました」。指導者を目指す選手の先駆けになるかもしれない。

 何度も大怪我から復活してきたのは、他の指導者にはないキャリア。「苦しいときにいかに人を助けられるか、というところが僕は大事だと思っているので、それをチームに落とし込みたいですね」。監督として選手一人一人に寄り添うだけではなく、選手同士が互いに助けあえるチームを作っていくつもりだ。

(FOOTBALL ZONE編集部・工藤慶大 / Keita Kudo)



page 1/1

今、あなたにオススメ

トレンド

ランキング