スタンドどよめいた一投は「100点で」 プロ内定の21歳が持つ”唯一無二の武器”「対策しきれない」

福岡内定の前田快【写真:徳原隆元】
福岡内定の前田快【写真:徳原隆元】

福岡内定の前田快、プロでの経験を「還元しないといけない」

 第25回大学日韓(韓日)定期戦が3月15日、愛知県のウェーブスタジアム刈谷で行われ、全日本大学選抜が全韓国大学選抜に2-1で勝利した。この試合でアビスパ福岡に内定しているMF前田快(まえだ・こころ/神奈川大学)が中盤で存在感を見せ、圧巻のロングスローから勝ち越しゴールをアシスト。「100点ですね」と起死回生の一投を振り返った。

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 まるでコーナーキックのような軌道にスタンドがどよめいた。1-1で迎えた後半21分、右サイドの高い位置で長い助走を取り、ロングスローから鋭いボールをゴール前へ投げ込む。するとDF小川遼也が豪快なヘディングシュートを叩き込んだ。これが決勝ゴールとなり、日本選抜が接戦を制した。

 前半は韓国選抜のマンツーマン対応に苦しんだが、後半からMF伊藤翼(京都産業大学)とのボランチコンビに変わると、ピッチ内で試行錯誤しながら徐々に主導権を握る時間を増やしていった。

「後半からは翼が入って、隣で自分と似たような感覚でできるので、そこがうまくマッチして、自分たちの時間帯が増えたんじゃないかなと思ってます。運動量を活かした守備は個人的にも良かったのかなと思います」

 勝ち越しゴールのアシストとなったロングスローについては、「点が決まれば100点でいいです」と笑顔で振り返る。小学生まで続けていた別競技の影響で、高校1年生の時から本格的にロングスローに取り組み始めたという。

「水泳を小学4年生ぐらいまでやっていて、肩とか上半身が柔らかいんです。成績も結構よかったですし、サッカーか水泳かを選ぶぐらいのところでサッカーを選んだという感じなんですけど。その上半身の柔らかさが今も残っているんじゃないかなと思ってます」

 大学のリーグ戦では対策されることもしばしばだという。それでも「対策しきれないのが自分のロングスロー」と語る唯一無二の武器。Jリーグの舞台でも「それを見せられたら」と、その時を心待ちにした。

 そして前田には、プロの舞台だけでなく大学サッカーで活躍することにも強い思いがある。所属する神奈川大学のブランド価値を高めるため、プロで得た経験をチームに還元していきたいと力を込める。

「内定先のアビスパで今、試合に出たりしてるんですけど、大学に戻った時に『さすがアビスパから戻ってきて、さすがプロやな』っていうプレーをみんなに見せて還元しないといけないと思います。神大からプロになる選手が何人も輩出されるようなチームにしたい。自分がもっと発信していけば、絶対チームも良くなるし、個人としてもレベルアップできると思うので」

 高校まで無名の存在だった経験から、選抜チームでプレーできる喜びも人一倍感じている。高いレベルの環境に身を置くことで、自身の成長を実感しながら、目指す場所も少しずつ高くなってきた。

「自分はどんどん先を見ていくタイプというより、目の前の試合を全力で戦う性分なんです。今まで上を見てこなかった自分が、こうして最近はレベルの高いところでプレーできている。目指すべき場所もだんだん見えてきましたし、経験を積むごとに目標も高くなっていくのかなと感じています。今はまだ具体的な高い目標を設定しているわけではないですけど、行けるところまで行きたいと思っています」

 1つ1つの目標を乗り越えながら成長を続けてきた前田。すでにJ1デビューを果たし、初ゴールも記録した21歳が、大学サッカーとプロの二つの舞台で自らの価値を示していく。

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