カズがヤマハの地で刺激「出たかった」 3戦ぶりメンバー入り…監督強調「試合はできる状態」

カズの59歳初出場はお預けに【写真:荻島弘一】
カズの59歳初出場はお預けに【写真:荻島弘一】

三浦知良が開幕戦以来となるメンバー入りを果たした

 J3福島ユナイテッドFCのカズことFW三浦知良は2月28日、明治安田J2・J3百年構想リーグ第4節ジュビロ磐田戦で3試合ぶりのメンバー入りとなったが、「59歳出場」はお預けになった。出場機会こそなかったものの、思い入れのある「ヤマハ」で旧友たちと交流し、刺激を受けた。チームは0-0で90分を終え、PK戦で3-5で敗れた。

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 この一戦に「出たかったですね」と話したカズだが、その表情は決して暗くはなかった。7日の開幕戦で先発出場したものの、その後は体調を崩して戦線を離脱。先週からチーム練習に完全合流して「ピッチに立てる状態になった」と現在のコンディションを話す。

 磐田との対戦が、カズを刺激した。ヤマハスタジアムは、日本リーグ時代の「ヤマハ東山サッカー場」のころから、慣れ親しんだスタジアムだ。「このスタジアムはJリーグでも、サントスで来た時も試合をしている。懐かしいですね。(福島の)選手たちにも話しました」と笑顔で言った。

 ブラジルの名門クラブの左ウイングとして来日し、日本リーグの強豪だったヤマハ発動機(現磐田)との親善試合に出場したのは1990年6月。7月に読売クラブ(現東京V)入りした後は日本リーグで何度も訪れ、Jリーグでも12試合(5得点)を戦った。所属したチームのホーム以外では、最も多くプレーしたスタジアムの1つだ。

 静岡県出身のカズとはいえ「ヤマハ」は常にアウェーの場。ゴール裏のサポーターの姿も懐かしかったのだろう。「PK戦の時に福島の選手がブーイングを浴びていて、うらやましかったですね」。最後にプレーしたのは横浜FCが初めてJ1に昇格した年の2007年9月。変わらないスタジアムの雰囲気が、カズの気持ちを高ぶらせた。

 戦友たちとの再会も刺激になる。「(磐田の)コーチングスタッフには(三浦)文丈や(川口)能活もいますし、藤田俊哉(磐田スポーツダイレクター)もいますから」。試合後には一人ひとりハグして言葉を交わした。日本代表やクラブでともに戦ってきた仲間が指導者として活躍していることが、カズの心に火をつける。

 元日本代表のGK川島永嗣とも旧交を温めた。PK戦では福島の1本目を好セーブする活躍。「いいシュートだったけれど、あれを止めるのは本当に素晴らしい。努力のたまものだと思います」。日本のGKレベルが上がっていることを口にし「能活とか、川島とかのやってきたことがつながってきている」と歴代の日本代表を絶賛した。

 開幕から3連敗で合計で13失点していたチームは、今季初の完封。PK戦で敗れたが、特別大会で初の勝ち点1を手にした。次節3月8日はホーム開幕戦。降雪対策で開幕から4試合連続アウェーだったが、ようやく地元サポーターの前で試合ができる。

 カズは「負けたのは悔しいけれど、カテゴリーが上のチームからの1ポイントをプラスに考えたい」と話し、AC長野パルセイロとのホーム開幕戦は「必ず勝ちたい」と言い切った。寺田周平監督も「待ってくれているサポーターに、自分たちのスタイル表現しながら点を取って勝つ姿を見せたい」と力を込めて言った。

 この試合でカズの出番はなかったが、寺田監督は「ベンチに入れている以上、試合はできる状態。毎試合、いろいろプランを考えてやっているが、きょうは起用に至らなかったということ」とカズについて説明。「今日から次の試合に向けての準備が始まる。しっかりと準備をしたい」と力を込めた。ホーム開幕戦での「59歳出場」へ「ヤマハ」から刺激を受けたカズが臨む。

(荻島弘一/ Hirokazu Ogishima)



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荻島弘一

おぎしま・ひろかず/1960年生まれ。大学卒業後、日刊スポーツ新聞社に入社。スポーツ部記者として五輪競技を担当。サッカーは日本リーグ時代からJリーグ発足、日本代表などを取材する。同部デスク、出版社編集長を経て、06年から編集委員として現場に復帰。20年に同新聞社を退社。

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