「30年間ありがとう」横断幕に涙 辞任から8か月…元日本代表の現在地「新人の松永です」

松永成立氏「マリノスを強くしたいという思いは、何ら薄くなることがありません」
昨シーズンの途中に横浜F・マリノスのGKコーチを辞任していた元日本代表GK松永成立氏が、2月28日のJ1百年構想リーグ第4節の横浜FMvs東京ヴェルディ戦の前にトークショーを行い、現在の様子などを語った。
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松永氏が登場すると集まっていたファン・サポーターは、「シゲさん、30年間ゴールを守り続けてくれてありがとう」と横浜FMのトリコロールのチームカラーで掲げた横断幕を出し、現役時代からの松永氏のチャントで盛り上げた。
第一声で「皆さん、本当にお久しぶりです。この通り生きています」と笑わせた松永氏は、現場を離れてからの8か月間、姿を現せなかったことについて「週5回ジムに行っていて肉体改造に取り組んでいまして、もう少し時間が必要だったのでこの時期までズレ込んでしまってすみませんでした」と冗談を交えて謝罪した。
ファン・サポーターの横断幕に感激し、涙ぐんだ松永氏はチームを離れてからは選手たちと一切の接触を取らなかったものの、試合は映像を通じて見続けていたという。試合を見ながらも、残留争いをしているチームには葛藤があったと明かす。
「自分としては残留もしてほしい。でも、違うよね。やっぱりタイトルを獲らないといけないよねという両方(の気持ちを持って)で、観ていた自分がいたので。残留が決まったときは嬉しかったですが、常にそういう思いも付きまとっていました。それでも、あの時に監督の大島(秀夫)が、インタビューで『強いマリノスを取り戻す。絶対に取り戻す』と言ってくれたので、僕はこれからそれを信じて、チームを応援していきたいと思います。強くしてほしいし、1日も早くタイトルを獲ってほしい」と、エールを送った。
現場を離れていた松永氏だが、2月からは新たに「ホームタウン/ふれあい部」に所属になったと言い、「ふれあい活動、ホームタウン活動を軸に、多方面にわたり、マリノスの宣伝も含めた活動を開始しました」と言い、支援学校、中学校、リハビリセンターなどに足を運び、多くの人たちと触れあっていると語った。
そのうえで、「みんなスポーツを通して一生懸命、体を動かそうとか、いろんなことを考えようとしている姿を見ると、自分たちがサッカーをしているのは、当たり前じゃないんだなというのがよく分かりました。みなさん、サッカーを理解しようとしていますし、マリノスに興味も示してくれているので、サッカーを好きになる人、マリノスを好きになる人をとにかく一人でも多く、この日産スタジアムに呼んでいけるようにしたいと思います」と、今後は多くのファン・サポーターを獲得していきたいという今の思いを口にした。
ふれあい活動(普及活動)を務めることになった経緯については「会社に聞いてください」と笑った松永氏だが、「去年の5月で現場は辞めましたが、マリノスを強くしたいという思いは、何ら薄くなることがありませんでした。会社側と何度か話し合うなかで、『ふれあい』というものが出てきて、地域貢献、社会貢献、そういうことはJリーグの理念、地域密着にもつながります。そこがどうなっているかを見たい思いも以前からありましたし、それが見られる部署に配属してもらったので、今は非常に良い勉強をさせてもらっています」と、やり甲斐も語っている。
横浜FMの前身である日産自動車サッカー部時代、4年間は社員選手だったという松永氏は現在、そのとき以来となるデスクワークもしているという。「まったく慣れないです。各部署を回りながら『新人の松永です』と、ずっと頭を下げています」と笑う63歳の松永氏だが、現場を離れた今も力強くチームをバックアップしていく。
(河合 拓 / Taku Kawai)





















