浪人も京大不合格→インカレ出場「本当に運命」 文武両道FWの思い「プロを目指したい」
2月18日に開幕したデンソーカップチャレンジ刈谷大会(通称・デンチャレ)プレーオフ。東北選抜、北信越選抜、東海選抜、中国選抜、四国選抜、九州選抜の6チームが2グループに分かれ、上位1位が決勝に進み、勝者が2月23日から始まるデンチャレ本戦へと進出する。

広島大学の瀬口廉太郎「ロマンは追いかけ続けたいので、最後までプロを目指し続けたい」
2月18日に開幕したデンソーカップチャレンジ刈谷大会(通称・デンチャレ)プレーオフ。東北選抜、北信越選抜、東海選抜、中国選抜、四国選抜、九州選抜の6チームが2グループに分かれ、上位1位が決勝に進み、勝者が2月23日から始まるデンチャレ本戦へと進出する。
【PR】ABEMA de DAZN、2/6開幕『明治安田Jリーグ百年構想リーグ』全試合生配信!毎節厳選6試合は無料!
ここではデンチャレプレーオフで目に留まった選手の物語を紹介していく。今回は中国選抜の185センチの大型ストライカー・瀬口廉太郎について。一浪をして広島大学に入学した瀬口のこれまでの経緯と未来像とは。
「今年の1年は進路によってはサッカー人生最後になるかもしれないので、悔いなくやりたいと思っています」
生年月日は2004年1月12日。学年的には今大会に参加する4年生より1学年上になる。愛知県の進学校である県立名東高でプレーしていたが、全国大会はおろか、県予選では1、2回戦止まりで、所属リーグも愛知県リーグ3部だった。県上位にすら食い込めないまま、高校3年間を終えた。
国立大一本で受験に挑んだ瀬口だったが、第一志望の大阪大学基礎工学部を受験するも不合格。浪人することを決めた。浪人中はサッカーをほとんどやっていなかった。予備校に通いながら、1日10時間近く机に向き合って黙々と勉強に励んだ。そして1年後、志願を変えて京都大学を受験するも不合格となり、後期試験で広島大学工学部を受けて合格を掴み取った。
受験では1番の望みは掴めなかったが、この結果が瀬口のサッカー人生を大きく左右した――。
「広島大に行くことを決めてから、そこで初めて『サッカー部が強い』ということを聞きました」
サッカーを目的で入学していなかっただけに、瀬口にとっては嬉しい誤算だった。広島大は中国大学サッカーリーグ1部に所属し、ちょうどサッカー部をより強化するためにスポーツ推薦でも選手が入るようになり、瀬口が入る前年に25年ぶりのインカレ出場を決めるなど、メキメキと力をつけてきたタイミングでもあった。
「もし現役で大阪大に受かっていたら、サッカー部に入っていましたが、そこまでサッカーに全力を注いでいなかったと思いますし、1浪して京都大の前期試験に受かっていたら、理系の道に進むためにサッカーは辞めるつもりでした。それが広島大に入ったことで、一気に全国を狙えるチームに入ることができた。本当に運命だと思います」
全くの無名の存在だったが、185センチのサイズとフィジカルの強さ、スピードを兼ね揃えた原石だった瀬口は、1トップとしてすぐにレギュラーを掴み、2年連続出場をしたインカレでついに全国デビューを果たすと、この年のデンチャレ中国選抜に1年生ながら抜擢をされた。
そして、ポストプレーに磨きがかかった2年時には、21年ぶりとなる総理大臣杯出場に貢献し、インカレにも出場。そして昨年度は全国出場こそできなかったが、2年ぶりにデンチャレのメンバーに復帰することができた。
しかも今回のデンチャレの開催地は地元・愛知。高校時代にリーグ戦やインターハイ予選を戦った思い出のグリーンG刈谷で、両親や地元の友達が応援に駆けつけるなかで全試合に出場をした。
「正直、高校時代は自分がここまで来るとはまったく思わなかったので、広島大に来て本当に良かったと思います。いろいろな人が支えてくれてここまで来たので、そういう人たちに感謝の気持ちを込めてプレーしました」
ゴールという結果は得られなかったが、自信を持ったプレーを見せることはできた。同時にもう1つの思いが込み上げてきた。
「やっぱりプロサッカー選手になった姿を見せたいなと思いました。就職活動はしていますし、大学院進学も考えていますが、やっぱりここまで続けてきたサッカーをもっと高いレベルでやりたいのが一番なんです。エンジニアなどなりたい職業はありますが、その勉強は継続しながらも、ロマンは追いかけ続けたいので、最後までプロを目指し続けたいと思います」
まだ具体的な練習参加はないが、大きなポテンシャルを持つ大型ストライカーにリストアップをしているJクラブはある。人生何が起こるか分からないことは、これまでの過程で理解をしているだけに、夢と目標に向かって瀬口は賢く自己研鑽を続ける。
(安藤隆人 / Takahito Ando)
安藤隆人
あんどう・たかひと/岐阜県出身。大学卒業後、5年半の銀行員生活を経て、フリーサッカージャーナリストに。育成年代を大学1年から全国各地に足を伸ばして取材活動をスタートし、これまで本田圭佑、岡崎慎司、香川真司、南野拓実、中村敬斗など、往年の日本代表の中心メンバーを中学、高校時代から密着取材。著書は『走り続ける才能達 彼らと僕のサッカー人生』(実業之日本社)、早川史哉の半生を描いた『そして歩き出す サッカーと白血病と僕の日常』、カタールW杯のドキュメンタリー『ドーハの歓喜』(共に徳間書店)、など15作を数える。名城大学体育会蹴球部フットボールダイレクターも兼任。





















