3戦13失点も「変えるつもりはない」 カズも称賛…貫くスタイルを「信じてもらいたい」

福島の「寺田サッカー」はブレない。J3福島ユナイテッドは2月21日、百年構想リーグ第3節でJ2のRB大宮アルディージャと対戦。前半3分に先制点を奪われると、力の差を見せつけられて0-6で大敗した。細かいパスで中央を崩す攻撃サッカーを標榜しながらも開幕3試合で大量13失点の3連敗。それでも、寺田周平監督はスタイルを変えないことを宣言する。

福島の寺田周平監督【写真:徳原隆元】
福島の寺田周平監督【写真:徳原隆元】

福島は開幕から3連敗

 福島の「寺田サッカー」はブレない。J3福島ユナイテッドは2月21日、百年構想リーグ第3節でJ2のRB大宮アルディージャと対戦。前半3分に先制点を奪われると、力の差を見せつけられて0-6で大敗した。細かいパスで中央を崩す攻撃サッカーを標榜しながらも開幕3試合で大量13失点の3連敗。それでも、寺田周平監督はスタイルを変えないことを宣言する。

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 開幕の甲府戦で4失点、いわきとの福島ダービーで3失点、そしてこの日も福島のゴールは次々と割られた。前半を0-2で折り返すと、後半は途中出場のFWカブリーニにハットトリックを許して4失点。一方的に敗れて、寺田監督は「残念な結果」と話した。

 選手間の距離を保ちながら素早いパス交換で中央をこじあける。ボールを保持し続けて、相手には渡さない。ロングボールは蹴らず、自陣からでも「つなぎ倒す」スタイル。そんな「寺田サッカー」を、甲府、いわき、大宮と「格上」J2相手に貫いている。

 とはいえ、すぐに結果が出るほど甘くはない。個の力の差もあってパスは通らず、逆に一瞬のミスでゴールを決められる。百年構想リーグ地域リーグはいまだ勝ち点0で得失点差もマイナス11。東地区Bの最下位はもちろん、J2・J3全40チームの中でも最低の成績だ。

 寺田監督も「この結果なので、ポジティブにとらえるのは難しい」と本音ももらした。「当然受け入れがたいし、しょうがないという気もない」と話し、福島から駆け付けたサポーターに対して「つらい思いをさせて、申し訳ない」と頭を下げた。

 それでも「このやり方を変えるつもりはない」と断言。「先を見据えてやっていること。これを貴重な経験ととらえて、次のゲームに向かっていきたい」。そして「サポーターのみなさんには、信じてもらいたい」と話した。

 選手たちも同じ考えだ。失点しても少しもスタイルを変えず、愚直なまでに攻め続ける。大量失点を恐れて消極的になっても仕方ないと思うが、全員が「寺田スタイル」を貫く。「最後まで攻めてくれた選手の姿勢には満足している」と寺田監督は話した。

 選手たちが「寺田スタイル」を信じるのには理由がある。監督に就任した24年からスロースターター。シーズン序盤は苦しむも、終盤に向けて尻上がりに調子を上げていった。「去年もFC大阪に7失点しましたが、終盤にはいい流れが作れた」と寺田監督。その成功体験があるから、チームがネガティブになることはない。

 選手たちは、そんな寺田監督の「攻撃サッカー」に共感して集まっている。この日、コンディション不良でベンチを外れた58歳FWカズも「監督のサッカーはおもしろい」と話す。選手の目指すものがブレないから、チームが崩壊することもない。

 昨オフJ1の川崎から加入したGKチョン・ソンリョンは3試合で大量13失点に「これまでないかな」と話したが、それでも「周平さんは新しいサッカーをやろうとしている。今は失点が多いけれど大丈夫」。最後尾から寺田サッカーを支える意欲を見せる。

 目指すのは、J2昇格のかかる26-27シーズン。ここで結果を残すために、今はブレずに攻撃サッカーを貫く。「これが、一番勝てると思っている。点を取って勝つのがサッカーなので」と寺田監督。26日に59歳になるFWカズ加入で注目される福島は、唯一無二のスタイルでJ2昇格を目指す。

(荻島弘一/ Hirokazu Ogishima)



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荻島弘一

おぎしま・ひろかず/1960年生まれ。大学卒業後、日刊スポーツ新聞社に入社。スポーツ部記者として五輪競技を担当。サッカーは日本リーグ時代からJリーグ発足、日本代表などを取材する。同部デスク、出版社編集長を経て、06年から編集委員として現場に復帰。20年に同新聞社を退社。

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