カズ、実戦デビューで「股抜き」 ファン大喜び…衰えぬ技術「ああいうプレーは好き」

静岡産大DFをまた抜きでかわす福島FWカズ【写真:荻島弘一】
静岡産大DFをまた抜きでかわす福島FWカズ【写真:荻島弘一】

三浦知良「ああいうプレーは好きなので、どんどんやっていきたい」

 J3福島ユナイテッドFCのFW三浦知良(カズ、58)が「実戦デビュー」した。静岡・御前崎でキャンプ中のチームは1月22日、静岡産大と今季初の練習試合(35分×3本)を行った。新戦力のカズは2本目の途中からトップの位置で出場。チームのスタイルに合わせて前線でつなぎ役をこなし、約20分間プレーした。

【PR】DAZNを半額で視聴可能な学生向け「ABEMA de DAZN 学割プラン」が新登場!

 2本目の15分過ぎ、赤いユニホームの背番号11がピッチに飛び出した。最前線でボールを呼びこみ、シンプルにはたいて次の攻撃につなげる。両手を広げながらスペースに走り、相手を背負ってボールをキープ。守備では高い位置から相手にプレスをかけてボールの出所を押さえた。

 5年ぶりにJリーガーとなって初の実戦。「チームのスタイルに合わせてやった。連携のなかでいい形もあった」と手ごたえを口にした。19日からのキャンプでは午前と午後の2部練習をフルメニューでこなし、練習試合も予定通りのプレー時間。「もっとやりたかった」という言葉に、シーズン開幕に向けての充実ぶりが表れた。

 相手に囲まれた場面で見せた「股抜き」には、報道陣もサポーターも大喜び。「ああいうプレーは好きなので、どんどんやっていきたい」と話した。スタミナやスピードは年齢とともに衰えても、ボール扱いの高い技術は相変わらず。寺田監督も「ボールに関わる回数も多かったし、よかったと思います」と満足そうに言った。

 もちろん、まだまだ課題もある。大学生を6-0と圧倒した試合のなかで、カズがプレーした20分間はノーゴール。ボール保持率は高かったが、決定的な場面は少なかった。「もう少し相手のゴールに近いところでパスが回せれば」と話し「ミスでボールを失う場面もあった。精度を上げないと」と言った。

 キャンプ4日目、チームへの「カズ効果」も現れてきた。一緒に生活をするなかで「サッカーへの取り組み方や準備など、プロフェッショナルな部分が素晴らしい。若い選手にはいい手本になっている」と寺田監督。「ピッチでも僕の意図をくんで声掛けをしてくれたりとか、チームのために動いてくれる。話には聞いていたけれど、想像以上です」と絶賛した。

 この日、3得点した2年目のFW石井稜真(23)は「自分がサッカーを始めたときには最年長だった」というカズとチームメイトになったことを喜ぶ。「一緒にプレーできるとは思いもしなかった」と話し「同じポジションなので、いろいろと聞いています。パスの引き出し方とか、すごく参考になります」と、効果が表れてのハットトリックを振り返った。

 カズ目当てでメディアやサポーターが集まるのもチームの士気を高める。昨年までJ3では経験できない盛り上がり。「カズさんを見に来ているのは分かるけれど、そこで活躍すれば自分も見てもらえる」と石井。「チームの雰囲気はすごくいい」と寺田監督も笑顔で話した。

 合流から10日あまり、チームに溶け込む58歳は「チームのスタイルとか、規律とかに合わせることが大切。しっかりと準備をして、開幕を迎えたい」と2月7日のJ2ヴァンフォーレ甲府戦に照準を合わせて話す。プロ41年目、5年ぶりのJリーグ、福島のカズは止まらずに走り続ける。

(荻島弘一/ Hirokazu Ogishima)



page 1/1

荻島弘一

おぎしま・ひろかず/1960年生まれ。大学卒業後、日刊スポーツ新聞社に入社。スポーツ部記者として五輪競技を担当。サッカーは日本リーグ時代からJリーグ発足、日本代表などを取材する。同部デスク、出版社編集長を経て、06年から編集委員として現場に復帰。20年に同新聞社を退社。

今、あなたにオススメ

トレンド

ランキング