まさかの昇格PO相手へ…半年で電撃移籍「焦りも」 23歳の野心「海外に行って代表に」

千葉戦に出場していた津久井匠海【写真:徳原隆元】
千葉戦に出場していた津久井匠海【写真:徳原隆元】

千葉の津久井匠海「サッカー選手をやめないといけないっていうのが一番恐い」

 昨シーズン、J1昇格プレーオフの末に17年ぶりのJ1復帰を決めたジェフユナイテッド市原・千葉が1月9日にJ1百年構想リーグに向けて始動した。DF鈴木大輔ら別メニュー調整の選手もいたなか、プレーオフ準決勝で死闘を演じたRB大宮アルディージャから加入したばかりのMF津久井匠海も新天地での初練習を行った。1時間強のトレーニングを終えた津久井はメディアの取材に応じて、大宮時代について「感謝しかない半年だった」と振り返り、「本当に悩んだんですけど、チャレンジしたいなという気持ちが上回った」と前を見据えた。

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 異例の移籍だろう。昨シーズンを水戸ホーリーホックの新加入選手として迎えた津久井は、主力として活躍するとチームが首位に立っていたなかで、シーズン途中に大宮へ移籍する。大宮でも切れ味鋭いドリブルを武器にポジションを掴んだが、J1昇格プレーオフ準決勝で3-0のリードから4失点して逆転負けを喫してJ1昇格を逃した。その1週間後、千葉は徳島ヴォルティスとの決勝にも1-0で勝利し、J1昇格を決める。そして、他クラブより2週間遅くシーズンを終えた千葉は、新シーズンに向けて補強選手は少ないが、その一人として津久井を迎えた。

 移籍市場が開くたびに、オファーを受ける存在となった津久井だが、決して順風満帆なキャリアだったわけではない。横浜F・マリノスユースからトップチームに昇格したが、JFLのラインメール青森、J3のアスルクラロ沼津へと期限付き移籍を経験した。横浜FMでは試合に出場することもなく契約満了となり、沼津へ完全移籍で加入して、そこから這い上がって2025シーズンの開幕を水戸で迎えたのだ。

 半年という短期間でユニフォームを連続で変えることとなった津久井は、今回の移籍について「ほかのチームからもオファーをいただいていたんですが、千葉さんから(オファーが)来たときは率直に嬉しかったですね。本当にRB大宮でもう1年半やって昇格しようとずっと考えていたんですが、ジェフさんからのオファーが素直に嬉しかったですし、目の前にそういうチャレンジできる場所があるっていうことは、チャレンジしろということだと思ったので、自分がチャレンジしたい気持ちが強かったので、その気持ちを信じました」と、悩み抜いた決断を振り返った。

 J1クラブで居場所がなくなり、3カテゴリー下のJFLでプレーするプロサッカー選手の厳しさも若くして知ることとなった津久井は、上昇志向が強いことに「自分が本当にサッカーをやめないといけないと思っていたので。何もない、道がない、サッカー選手をやめないといけないっていうのが一番恐い。そこから来て、今、こういうオファーをいただけるところまで来ることができたのは自信になりますし、ほかの人よりもそういう(チャンスを掴みたい)気持ちは強いと思います」と認めた。

「J1に戻れた」感慨と「ここからがスタート」という覚悟の両方の気持ちがあるという津久井は、自身と千葉を“チャレンジャー”と位置づける。

「自分がJFLに居たときは、自分の理想と現実のギャップもあって苦しかったシーズンでした。J3に行ってからは自分の力で結果を示さないと上にあがれない場所なので、本当に死に物狂いでした。そこからJ2、J1という形になって『良くやってきたな』と過去の自分には言いたいですし、でも、自分がもう一回目指す場所はもっと上にありますし、海外に行って、代表に入りたいという気持ちは一番強くあるので、本当にここからスタートという気持ちも強いです。

 サッカー選手に終わりはないと思っているので。ずっとチャレンジしないといけない職業ですし、それがなくなったら、もうサッカー選手としてダメだと思っているので、本当にハングリー精神を忘れずに、またイチからのスタートになりますし、ジェフもまたJ1でイチからのチャレンジャーだと思うので、チャレンジャー精神でぶつかっていきたいです」

 23歳でJ1に再チャレンジとなる津久井だが、「焦りもあります」と言い、「年齢的にも自分が若いうちに海外にチャレンジできていると思えるのは、もう少しくらいだと思うんです。サッカー選手の人生は短いですし、いつケガしてサッカーができなくなるか、引退するか分からない職業だっていうのは、身をもって感じているので。短いサッカー人生のなかでどう生きるか、どうチャレンジするかは、ずっと思っていたので、目の前にその選択を迫られた時にチャレンジしない後悔だけはしたくなかった。チャレンジする選択を取り続けるのが自分だと思っているので。そういうサッカー人生を歩んでいきたいと思います」と、力を込めた。

 その移籍を嘆き、うらめしく思うファンが多いのは、彼が在籍してきたクラブで認められてきたという裏返しでもあるだろう。ハーフシーズンのJ1百年構想リーグでフクダ電子アリーナのファンからも愛される存在となるか。津久井の新たな挑戦が始まった。

(河合 拓 / Taku Kawai)



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