「相手の長所を消しにいく」変幻自在のハリル流 招集25人に見るイラク戦“勝利のシナリオ”

イラク戦の鍵はグラウンド状態、フィジカル重視の選考に

 日本代表のバヒド・ハリルホジッチ監督は、25日に東京都内で6月7日の国際親善試合シリア戦と13日のワールドカップ(W杯)アジア最終予選イラク戦へ向けたメンバーを発表した。ハリル監督は「相手の短所をしっかり突く。向こうの長所もある。この長所を消しにいく。その準備のための選手を選んだ」と、メンバー選考について語っている。

 イラクとの試合は、隣国イランの首都テヘランで行われるが、スタッフを派遣した調査の結果としてスタジアムのピッチが荒れているという。また、「国内で強いチームというのはよくある。UAEとの対戦を思い出してください。国内でよりパフォーマンスを発揮する、チームを勝たせる選手がいた」と、中東勢のホームにおける強さを警戒していた。

 だからこそ、「ボールが跳ねる。テクニックが使えずダイレクトなプレーが必要になるかもしれない。個人の素早い動きも必要になり、常にフィジカル的に戦えるか」と、今回のメンバー選考では繊細な技術とパスワークよりも、フィジカル的な能力、走力、デュエルの強さといった資質を重視したという。

 この最終予選でもハリルホジッチ監督は、例えば敵地オーストラリア戦では低い位置に守備ブロックを作ってカウンターを仕掛けるプランで臨んだ。敵地UAE戦では、中盤にMF今野泰幸を起用して相手のキーマンであるMFオマル・アブドゥルラフマンを封じ込めにかかった。こうした相手に応じた戦術、戦略によって策を講じるのがハリル流だ。

 このあたりは、例えば前回の2014年ブラジルW杯を戦ったアルベルト・ザッケローニ元監督など、相手がどこであろうと常に自分たちのサッカーを貫く方針とは異なるものだ。ハリル監督は、「1カ月、1カ月半をかけ、それを考えたリストであり、それを踏まえた新しい選手がいる」と、メンバー選考に至る過程をこのように話した。

 

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