南ア戦の決勝アシストに見る15歳久保の才能 FC東京トップ選手も認める“気遣いのプレー”

「感覚で出した、タケなら走っているなと」

「一つのパスをとっても、相手の右足左足、スペースなのか足元なのかを意識して出している。いろんな意味で気が遣える。周りもよく見えている」

 この南アフリカ戦のアシストも左利きの堂安を意識し、左足へと向かっていく球筋だったのは見逃せない事実だ。

 そして、元ナイジェリア代表FWピーター・ウタカは、「彼はクオリティーが高く、テクニックもある。誰が見ても明らかな才能。ボールを失うことを恐れないから彼には安心してパスを出せる」とも語っている。

 堂安も南アフリカ戦の決勝点の場面で、「感覚で出したというか、タケ(久保の愛称)なら走っていると思った」と、迷いなく久保が走り込んだスペースにパスを出したことを明かしていた。

 日本代表で、2001年ワールドユース(現・U-20W杯)アルゼンチン大会にも出場したFW前田遼一は、「あの年齢でJ1(カテゴリーの試合)に出ること自体すごいこと。得点を取ってほしいし、僕たちの2つ上は(1999年の同ナイジェリア大会で準優勝の)成績を残しているので、ぜひ結果を残してほしい」とエールを送る。

 あの日本の白星発進を決めたワンプレーを紐解くだけで、久保の非凡さが窺える。24日には、今大会の優勝候補の一角であるウルグアイと対戦する。その機知に富んだプレーで、どんな輝きを放つのか、期待は膨らむ一方だ。

【了】

馬場康平●文 text by Kohei Baba

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

 

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