森保監督は「頭を悩ますことになる」 英記者が評価した2選手…24歳ダイナモが「最も際立った」

佐野海舟は最も際立ったパフォーマンス【写真:徳原隆元】
佐野海舟は最も際立ったパフォーマンス【写真:徳原隆元】

パラグアイ戦は2-2のドロー決着に

 サッカー日本代表(FIFAランク19位)は10月10日、キリンチャレンジカップ2025でパラグアイ代表(同37位)と対戦し、2-2のドローで終わった。かつてアジアサッカー連盟の機関紙「フットボール・アジア」の編集長やPAスポーツ通信のアジア支局長を務め、ワールドカップ(W杯)を7大会連続で現地取材中の英国人記者マイケル・チャーチ氏が、この試合を総括。なかでも同点ゴールを決めたエース、中盤で躍動したダイナモを称賛した。(文=マイケル・チャーチ)

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 日本代表はワールドカップ(W杯)出場権を獲得して以降、ゴールがなかなか生まれていなかったが、吹田スタジアムでようやく2得点が生まれた。難敵パラグアイを相手に決めたこれらのゴールは森保ジャパンの士気を高めることになるだろう。

 3月に2026年W杯の出場を決めたサムライブルーでは重要な実験が続いている。この試合も例外ではなかっった。選手たちは北米行きを目指してプレーしており、何人かの選手の活躍が目立ち始めている。

 9番の争いでは小川航基と上田綺世の2人がそれぞれ得点を決め、森保一監督に実力を示した。先発した小川はミゲル・アルミロンの素晴らしい技術から先制を許した後の前半26分に同点ゴールを決めた。

 小川の得点までの過程には日本の素晴らしいチームスピリットと姿勢が如実に表れていた。パラグアイの守備を敵陣のペナルティーエリアに追い込んでボールを奪い、最後は小川がゴールへと押し込んだ。

 確かに、ゴールキーパーがボールを弾いて生まれたこのゴールは幸運に恵まれたものだったが、小川のシュート技術は称賛に値するだろう。

 一方、フェイエノールトに所属する上田はフォワードに求められる別の資質を示すものだった。わずか6分ほどの出場ながら、上田は終了間際にヘディングで同点ゴールを決めた。

 この試合を通じて精力的な働きを見せていた伊東純也の素晴らしいクロスを、上田が的確にゴールへと結びつけた。彼の点取り屋としての本能が完璧に働いていたゴールだった。

 それでも、この試合で最も際立ったパフォーマンスを見せた選手を挙げるとすれば、それはマインツの佐野海舟だ。粘り強く、エネルギッシュなパフォーマンスで、ボールを持った時もそうでない時も、彼はピッチのあらゆるエリアをカバーした。佐野は中盤から日本を前進させた。24歳の彼は遠藤航と並んでチームの中心を担うポジションで、守田英正に代わる存在としてW杯のメンバー入りを主張している。

 そのほかでは、中村敬斗もいいパフォーマンスを見せていた。14日にブラジル戦を控えるなか、もし森保監督が最強のラインナップで試合の臨むことを考えているのであれば、選手の選択に頭を悩ますことになるだろう。

(マイケル・チャーチ/Michael Church)



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マイケル・チャーチ

アジアサッカーを幅広くカバーし、25年以上ジャーナリストとして活動する英国人ジャーナリスト。アジアサッカー連盟の機関紙「フットボール・アジア」の編集長やPAスポーツ通信のアジア支局長を務め、ワールドカップ6大会連続で取材。日本代表や日本サッカー界の動向も長年追っている。現在はコラムニストとしても執筆。

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