なでしこで異例の試み「今までなかった」 代表期間外でも…押し進める共通理解

クラブでの試合映像なども交えるオンラインMTG「ありがたい」
なでしこジャパン(日本女子代表)のDF守屋都弥が27日、オンライン取材に応じ、新体制となったなでしこで密かに行われている珍しい取り組みについて語った。今シーズンから米プロリーグ・NWSLのエンジェル・シティFCに加入。約10年所属したINAC神戸レオネッサを離れて半年ほどが経ち、新天地でもスタメン出場の機会を増やして存在感を示している。
【PR】DAZNを半額で視聴可能な学生向け「ABEMA de DAZN 学割プラン」が新登場!
28歳で迎えた初の海外挑戦。守屋はサイドバックとしてクラブだけでなく、日本代表でも力を発揮し、今年2月のシービリーブス杯優勝にも貢献した。欧米でプレーする日本人選手が増えてきたいま、ニルス・ニールセン監督が就任したなでしこジャパンでは「オンラインでのコミュニケーション」が大きな鍵となっているという。
守屋はこう語る。
「代表に関わってくる選手(やスタッフ)は、一定期間集まれない空白の時間があります。それでも、みんなが共有することを今の体制ではすごく大事にしています。みんなが共有して欲しいことを、オンラインミーティングで補うことができるので、いいなと思っています」
欧州や米国に代表選手が散り散りになっている現状で、ニールセン監督や狩野倫久コーチの主導でコンスタントにオンラインでのミーティングが実施されている。代表での活動期間外で、各クラブで活動している選手たちに対して、オンラインとはいえ、代表スタッフがコンタクトを取るのは異例の試み。そこでは実際の映像も交えながら、選手に対しての課題や戦術理解の共有が、ニールセン監督やスタッフから積極的に進められているという。
「監督やコーチが『こういうことをしたい』と映像を交えて説明してくれます。試合後も細かく課題を指摘してくださるので、選手として成長につながっていると感じます」。実際、6月のスペイン遠征中にも、遠征に参加できなかった選手を含めてのミーティングが行われ、個別の課題共有まで実施された。守屋も「オンラインでやってもらえるのは、今までなかったこと」と、新しい取り組みに新鮮さを感じている。
6月のスペイン遠征以降、10月24日のイタリア代表戦まで代表活動はなく、約4カ月間の空白がある。それでも、守屋は「エンジェル・シティでの試合映像を切り取ってもらい、クロスの精度など細部まで指導していただいている。ありがたい」と語る。在籍クラブでの試合の映像も交えてコミュニケーションを深めている。シーズン中でもリアルタイムに代表とつながる仕組みが、新体制のなでしこジャパンにある。
昨年12月に発足した新体制のなでしこジャパン。オンラインという新しい手段を通じて選手同士やスタッフとの連携を深めており、守屋は「常に準備を整えられる環境がある」と語る。女子サッカー大国アメリカで磨かれる実力が、綿密なコミュニケーションによって発揮される日も近いかもしれない。
(砂坂美紀 / Miki Sunasaka)





















