地元&祝日効果で5万1636人が大熱狂 欧州強豪に敗戦も、指揮官がサポート実感「アスリートのよう」

シアトル・サウンダーズがアトレティコ・マドリードと対戦した
米国で開催中のFIFAクラブ・ワールドカップ(W杯)は、現地時間6月19日に地元シアトル・サウンダーズが第2戦でアトレティコ・マドリード(スペイン)を迎え撃った。この日はアメリカの祝日「ジューンティーンス(奴隷解放記念日)」ということもあり、5万人を超える観衆による大盛り上がりとなった。
クラブW杯は今大会から4年に一度、6大陸から代表クラブが集結して32チームによるグループリーグを経て決勝トーナメントが行われる形に大幅な拡大となった。全米11都市、12会場を使用して行われる大会で、シアトルではグループリーグB組とE組の試合が行われる。そのなかで、B組には地元のシアトル・サウンダーズが組み込まれた。
初戦でボタフォゴ(ブラジル)に敗れたシアトルだが、この日は米国の祝日「ジューンティーンス」にあたり、15時キックオフだったスペインの強豪とのゲームに向けてスタジアム周辺は早い時間から盛り上がりを見せた。そして、スタジアム北側のスミスタワー付近、パイオニア・スクエアのあたりではシアトルのサポーターたちが決起集会を行っていた。そこから人の波は応援チャントを歌いながらスタジアム方面へ。地元チームの登場に加え、この日が祝日であったことも重なり、2日前にE組の浦和レッズとリーベルプレート(アルゼンチン)の初戦が行われた当日のスタジアム周辺とは、明らかに人の数が違った。
試合自体はアトレティコが2点を先行する展開になったが、その間にアトレティコに与えられたPKが、ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)の進言でオンフィールド・レビューの末に取り消されると大歓声が上がった。そして、後半5分にシアトルのMFアルベルト・ルスナクが1点を奪うと5万1636人が大熱狂する空間に包まれた。最終的に試合はアトレティコに追加点が生まれシアトルは1-3で敗れたが、地元クラブの参戦と健闘が大会の成功に関わることを改めて感じさせるものになった。
試合後の会見では、地元シアトル出身でチームを率いるブライアン・シュメッツァー監督が、5万人を超える観衆について「素晴らしかったし、声援も大きかった。このようなイベントは、私たちのコミュニティーとサッカーの深いかかわりを示してくれる。ファンは興奮していたし、スタジアム内にはアスリートのように応援するファンもいて、そのエネルギーが盛り上げてくれた。全体的にシアトルのサッカーファンは熱心だし、ここで生まれ育った人間として、今日はスタジアムが盛り上がっていたことに感謝している」と話していた。
2連敗のシアトルだが、後の時間帯のゲームでボタフォゴが欧州王者パリ・サンジェルマン(PSG/フランス)に勝利したことで、わずかながらグループ突破の可能性が残った。そのためには、シアトルがPSGに勝利することが大前提だが、シアトルのファンは奇跡を信じて再びスタジアムを熱狂させてくれるはずだ。