寝る間を惜しんで日独“二重生活”「大変だと思わない」 長谷部誠の背中を押した森保監督の言葉

万博のドイツパビリオンでイベントに参加
現役時代にブンデスリーガで活躍した元日本代表MF長谷部誠氏が6月11日、大阪・関西万博のドイツパビリオンに来場した。多くのファンが駆けつけた一般向けの特別イベントでトークショーを実施。指導者1年目はフランクフルトU-21チーム、日本代表コーチを兼任する多忙っぷりだったが、取材対応では森保一監督からの助言があったことを明かした。
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ドイツと日本の“コーチ二重生活”。指導者1年目から2チームを担当することになった長谷部氏だが、その環境を「恵まれた」と表現し、多忙な毎日を歓迎した。それはなぜなのか。現役時代にも関係があるという。
「全然大変だとは思わない。まず僕は自分自身、長い間現役キャリアをサッカー選手としてやらせてもらって、本当に晩年、もう残り5年ぐらいは、あまり難しいと思う局面に当たらなかったんですよね。もう選手としては自分のやり方があって、チームのやり方があって、自分がこうすればこうできる、みたいなのがあった。
でも、指導者として1年目を始めてから、もう全くうまくいかないことだらけ。自分が想像していたこと、ものよりも指導者というのは、とてもやることが多いし、深いし、やろうと思えばいくらでもやれる。相手の分析であったり、自分たちの分析、対戦相手の分析を何試合でもできる。久しぶりに自分がうまくいかないことが出てきてすごく新鮮で、大変で嬉しいなと思っている」
ドイツにはドイツの、日本には日本でのそれぞれのチームや指導者の色があり、長谷部氏が幅広い経験から吸収する。「いいとこ取りのような」と、貴重な時間を過ごす。
「(日本代表の)森保さんとも話していて最初の頃は、相手の分析をして新幹線に乗って、終点について、そのまま車庫に入るから『降りてください』と言われたりした。恵まれている環境の中でやれているので大変だと思うことはないし、やりがいしかない」
ドイツでは長谷部氏が一番年上で監督が31歳、コーチが28歳、31歳という若いチーム。「だからオープンマインドで現代の指導の仕方だったり、トップチームの練習を取り込んだり。それはそれで僕も学ぶこともある」という。一方で、森保監督から学ぶ日本代表では「経験のある方々と仕事させてもらっているので多くのインスピレーションを受けている」。来季も2つのコーチを「続けさせてもらう」と話した長谷部氏。2年目に向かって気持ちはいつでも前向きなようだ。
(FOOTBALL ZONE編集部・小杉 舞 / Mai Kosugi)