W杯まで365日…指揮官が明かす“異例”強化プラン「もう総出で(笑)」 確率を上げるための秘策

ストライカーとサイドバックについて言及
日本代表・森保一監督が6月11日、来年の北中米ワールドカップ(W杯)までちょうど1年となったことを受け、本大会までの強化プランを明かした。
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京都市内で行われた日本サッカー協会(JFA)と漢字協会のコラボイベントに出席。本大会に必要なことを問われ、「もちろん全てですけど、その中でも得点を取るという部分のストライカーに出てきてもらい、ストライカーを生かせるようにということ。そして4バックで今後戦うこともオプションで持てるようにと考えたときに、サイドバックの強くて推進力のある選手が必要になってくると思います。その2つは強化ポイントとして挙げられるかなと思います」と語った。
6月10日のインドネシア戦を含め、アジア最終予選では3バックを基本布陣に戦ってきた。だが今後は4バックも試していくことを明言。「昨日も相手の出方によってはやっていくことも(頭に)ありました。我々も以前やっていたこともありますし、4バックという所はまたオプションで持てるように実戦の中でトライしたいなと思います。いつやるかというのはまだないですが、常に考えています」と話した。
オプションの大切さは身を持って知っている。前回のカタール大会では、4バックを基本布陣にしながらも、大会直前で3バックを準備。試合中に2つのシステムを使い分けることでチームのギアを上げ、1次リーグでは優勝候補のドイツ、スペインを破った。柔軟な戦い方は世界からも称賛された。
インドネシア戦でも後半24分に細谷真大を投入してからは3-4-2-1から、2トップの3-1-4-2に変更した。「(遠藤)航を1ボランチにして、(佐野)海舟と航大をシャドーにして、2トップを町野修斗と(細谷)真大にしました」と言うように、本大会を見据えたオプションを試している。
選手だけでなく、スタッフ体制でも異例の“オプション”を試す。7月に韓国で行われるE-1選手権では、メンバーが国内組が中心となることもあり、J1・ガンバ大阪からトレーナーを派遣してもらうことが決まった。今回はトライアルとなるが、本大会を見据えてのトライでもある。
「JFAとJリーグで協力して、代表の強化をしていくことは、E-1でやっていきます。それも含めて今後、テクニカルな話ですけど、W杯の時にはもしかしたらJリーグの方々にも手伝っていただいたり、優秀な方がたくさんいると思いますので、日本の総力を結集して戦うために、関係各所の方々、Jリーグの方々にも協力していただくということは考えています」
今回の北中米大会から参加国が32から48に拡大。従来はベスト16だった決勝トーナメント1回戦は、ベスト32になる。対戦候補も増えるため、より分析班の人数も必要になる。
「我々のコーチングスタッフ、テクニカルスタッフだけでは手が回らない。色んなカテゴリーの監督、コーチに来てもらったり、東大と筑波大の方々にもサポートしてもらいながら、W杯で勝つ確率を上げるために、情報収集できる組織の構築はしていきたいですね。最後はもう協会総出で(笑)。サッカーファミリー総出でやっていくことになるかなと」
W杯まで残り1年。現場もスタッフも、様々なオプションを試しながら優勝を目指していく。
(FOOTBALL ZONE編集部・井上信太郎 / Shintaro Inoue)