起用法を巡る議論→中心へ君臨「バランスをもたらす」 記者へ逆質問の余裕「どう思われますか?」

横浜FC戦で2ゴールを決めたサミュエル・グスタフソン【写真:徳原隆元】
横浜FC戦で2ゴールを決めたサミュエル・グスタフソン【写真:徳原隆元】

浦和MFグスタフソンが2ゴールを決めて逆転勝利

 浦和レッズの中心に君臨する存在が完全復活した。6月1日のJ1リーグ第19節の横浜FC戦は、MFサミュエル・グスタフソンの2得点で2-1の逆転勝利となった。スウェーデン代表のプレーメーカーは「またしっかりと準備もできますし、非常に好調です」と笑顔だった。

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 立ち上がりから押し込んでいた浦和だが、前半43分にカウンターを受けるとFWルキアンに先制ゴールを許してしまう。それでも後半8分に右サイドのMF金子拓郎のテクニカルなターンからスピードアップし、右サイドを駆け上がったDF石原広教のラストパスをボランチから走り込んできたグスタフソンが決めて同点ゴール。さらに後半38分には、コーナーキックのこぼれ球をFWチアゴ・サンタナがシュート。当たり損ねとなったが右ポストに直撃し、跳ね返りをグスタフソンが押し込んだ。

 1点目のシュートはクリーンヒットしたわけではないが、「後ろから崩して、相手の陣地に侵入して早めにそれが予測できた」と話したように、自陣の深い位置でボールを捌いたグスタフソンがチャンスの予感を得てスプリントを始めるタイミングが周囲の選手と比べても非常に早かった。プレービジョンの良さがゴールにつながった。

 昨季に加入したグスタフソンは、今季プレシーズンのキャンプ中に一時離脱したこともあり、開幕スタメンから外れた。起用法を巡る議論もあるなか、4月中旬からの5連勝ではチームの中央で存在感を放った。しかし、5月に入ってから再び負傷で離脱するとチームも成績も下降。5月17日のFC東京戦で復帰するとプレータイムを制限しながらの出場となっていたが、この横浜FC戦はフル出場だった。

 現状を問われたグスタフソンは「どう思われますか?」と逆質問する余裕も見せ、「もちろん試合を重ねて、ちょっと日にちが空くので、またしっかりと準備もできますし、非常に好調です」と笑顔も見せた。

 浦和はこのゲームを終えて数日のオフを取り、米国で開幕するクラブW杯へ向けた準備を始める。初戦は現地時間6月17日にリーベル・プレート(アルゼンチン)との対戦になり、UEFAチャンピオンズリーグ準優勝のインテル(イタリア)、モンテレイ(メキシコ)とのグループリーグE組の戦いが待つ。

 その戦いに向けグスタフソンは「まずは、どのように試合を勝つのかというゲームプランを見つけ、チームとして良いパフォーマンスをしていきたい。もちろん素晴らしい機会、チャレンジです。非常に楽しみな対戦相手がいます。我々もいい試合ができると期待しています」と、大舞台を見据えた。

 スタメン起用されるようになってからはマチェイ・スコルジャ監督も「チームにバランスをもたらす存在」と、中心に据えてきた。「アメリカに行く前に、優勝戦線に残るためには重要な勝利でした。我々にとって逆転するのが非常に重要だったので、全員が素晴らしいフィーリングを今、得ていると思います」と、ラストゲームで来日初の1試合2ゴールを決めたグスタフソンは話す。世界の大舞台で強豪と渡り合うゲームで、その経験と一瞬のチャンスを見抜く力は浦和に欠かせない。

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