U-21リーグの懸念点「価値が失われていく」 若手にとって「すごく大事」も…「そこを忘れないで」

田中碧、藤田譲瑠チマ、福西崇史氏がサッカークリニックに登場した
三井不動産レジデンシャル株式会社が5月31日、日本サッカー協会(JFA)と三井不動産レジデンシャル「日本代表サッカークリニック」を都内で開催。イベントに参加したMF田中碧(リーズ・ユナイテッド)、MF藤田譲瑠チマ(シント=トロイデン)、福西崇史氏が取材に応じ、「U-21 Jリーグ」について自身の考えを話した。
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イベントでは小学生4〜6年生とサッカーを楽しんだ。ドリブル鬼ごっこをしたのちに、対戦形式のミニゲームに移行。選手たちが実際にピッチに入り、小学生と一緒にプレー。藤田は小学生相手に容赦なくゴールを決め、膝スラパフォーマンスを見せるなど、真剣勝負の時間を楽しんだ様子だった。
イベント後の取材対応で、「U-21 Jリーグ」の新設について3人に話を聞くと、田中は「若い選手が試合に出ることはすごい大事」と前置きした上で、懸念すべき点も挙げた。
「若い選手は試合に出ることがすごく大事だと思うのは反面、そういう機会に甘んじて、トップチームで試合に出れないことを受け入れるのは、僕はすごく良くないことだと思う」
田中は、若手がU-21リーグでの出場に満足し、その場所に慣れてしまうことを危惧した。「(U-21で)試合に出れればいいやとなってしまうと、(いい)選手としての価値が失われていくと思う」。そして、若い選手だからこそ、試合に出れない悔しさも味わうべきだと続けた。
「やっぱり試合に出れない悔しさっていうのも、ある程度経験しておく必要があると思うので、そこは忘れないでほしいなと思います」
川崎フロンターレU-18からトップチームに昇格するも、1年目は試合に絡めない苦しい期間を過ごし、悔しい思いを経験した田中だからこその一言。藤田も「その現状に満足するのではなく、もっと上を目指して戦うための機会にしてくれればいいなと思います」とし、福西氏も、「チャンスの面ではいいリーグ」と話す。練習試合ではなく、”U-21リーグ”という大会だからこそ得られるものがあるという。
「大会をするということ、そこでどう活躍するかということを経験するのが少ないなかで、どうリーグを活かすか。2人が言ったように、どうやって上手くなっていくか、ということですから。そこでのアピールっていうのはすごい楽しみにしています」
26-27シーズンから始動するU-21リーグ。トップチームで出場機会を得られずに、くすぶる若手選手たちが、勝ち負けを競う新たな場所を経て、田中や藤田のように、先のステージで活躍することが期待される。
(FOOTBALL ZONE編集部・上原拓真 / Takuma Uehara)