無名→スカウト熱視線…187cm高校生「大学経由でプロに」 名門校に現れた注目の存在

習志野の石黒遥斗「デカくて、速くて、強い。細井さんのようなCBになりたい」
「ユース年代最高峰のリーグ」であるプレミアリーグEASTに所属する流通経済大柏、市立船橋、そしてプリンスリーグ関東2部に所属する日体大柏。千葉県には全国大会でも上位に食い込める強豪校がひしめき合っている。この3チームだけではなく、習志野、八千代という名門校から中央学院という個性派チームも揃う全国トップの激戦区と言っていいだろう。
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そのなかでこれまで玉田圭司ら日本代表選手を輩出してきた習志野に無名ながら注目のCBがいる。187センチのサイズを誇るCB石黒遥斗は空中戦の強さに加え、予測が的確で素早いカバーリングからのボール回収が武器。先の関東大会では桐生第一、堀越、第一学院を下して優勝を果たし、大会優秀選手にも選ばれた。
だが、彼はこれまでなかなか陽の目に当たらなかった。中学時代はJSC CHIBAジュニアユースでプレー。中学入学当時は160センチだったが、中学3年間で一気に伸びて179センチにまでなった影響で、思うように身体操作ができず、自分がイメージするようなプレーができなかった。
高校進学も市船を希望したが、セレクションで落選。それでも熱心に誘ってくれた習志野に、「打倒・市船の気持ちを持って決めた」と進学を決意した。
高校に入ってからも身長は伸び続け、昨年の段階で187センチに。伸びが収まり、徐々にフィジカルもついてきたことで、徐々に彼のCBとしてのスケールが開花をして行く。昨年の県リーグ1部後期から出番を掴むと、3バックの右と左、4バックの左右をこなせるCBとして、チームの守備の要へと成長していった。
県1部リーグの序盤、習志野は苦戦を強いられた。開幕戦こそライバル・八千代を含め、開幕2連勝したが、第3節に中央学院に大敗すると、そこから3連敗を喫した。だが、第6節の流通経済大柏C戦、石黒は今季初の3バックの真ん中に配置され、DFリーダーとして3バックを統率し、前の選手も的確な指示で動かすと、2-0のクリーンシートで連敗を食い止めた。
「集中力を持ってプレーすることができた。でも、相手は流通経済大柏のCチーム。インターハイ予選、選手権予選で戦うのはAチームなので、ここで満足していたら絶対に勝てない。だからこそ、関東大会で優勝をして、勢いに乗って流通経済大柏、市船、日体大柏に挑んでいきたい」
流通経済大柏C戦後にこう口にしていたように、ここから息を吹き返したチームは、前述したとおり関東大会を制するまでに至った。
有言実行を果たしている石黒は、今、全国の強豪大学のスカウトから熱視線を集めている。春先から一部の強豪大学が狙いをつけていたが、関東大会で優勝と優秀選手になったことで、より関心は高まりつつある。
「大学経由でプロになりたいと思っています。実際に習志野高の先輩が大学経由でプロ入りが決まったからこそ、僕も『頑張ればなれるかもしれない』と思えるようになりましたし、続くことができたら嬉しいなと思います」
今年の3月14日、習志野出身の新潟医療福祉大の182センチのレフティーCBである細井響のJ1・横浜FC内定が発表された。ここで一生懸命やり続ければ、自分の努力次第で道は切り開かれる。そう実感できたことで、彼の向上心にさらに火がついた。
「デカくて、速くて、強い。細井さんのように攻撃も守備もできるCBになりたい。そのためにはやはりあの3チームを倒したい。高校で全国に出たいと強く思うようになりました。最終ラインでリーダーシップとって声を出して、士気を落とさない選手になっていきたいです」
壁は高ければ高いほど、挑み甲斐がある。石黒は真っ直ぐにライバルたちを見据えて、己の力を磨き続ける。
(FOOTBALL ZONE編集部)