ジュニア時代「うちの車で一緒に帰って」 J1舞台で再会…運命交錯に「親も喜んでいる」

浦和の石原広教、C大阪の福井光輝は「本当にお兄ちゃんみたいな感じでした」
浦和レッズは5月28日、J1リーグ第22節でセレッソ大阪と対戦して0-0の引き分けに終わった。試合後の記者会見でC大阪のアーサー・パパス監督が「0-0でしたがエキサイティングな試合でした」と振り返ったように、ゴールに迫るシーンは多く見応えのある一戦だった。
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そんなシーンの一つが後半7分にあった。浦和のMFマテウス・サヴィオのパスを受けたDF石原広教がヘディングシュートを放ったが、ほぼゴールライン上でGK福井光輝に防がれた場面だ。惜しくも今季2点目を逃した石原は悔しがったが、ミックスゾーンでも「決まったと思ったというか、とにかく『枠』っていうのは意識していたのですが、光輝くんに止められちゃったので悔しいですね」と言い、「経験のところもあるかもしれませんが、最大値は出しました。ただ、あのシーンは決めなきゃいけなかったし、悔しかったですね」と唇をかんだ。
シュートを放った石原とゴールを守った福井は、ともに湘南の下部組織出身。石原は「ベルマーレのアカデミーで、僕がジュニアでGKやっているときに一緒にGK練習をやっていました。地元も一緒で、うちの車に乗って一緒に帰っていた。本当にお兄ちゃんみたいな感じでしたが、今日は止められちゃいました。こうしてJ1の舞台で一緒にやれているのは、お互いの親も喜んでいると思うし、対戦できたことは本当に嬉しかった」と、もともと福井とは深いつながりがあったと語った。
このシーンを含め、C大阪のゴールを守り切った福井も「(石原が)フィールドプレーヤーに転向して、そこから時間は空きましたけど、またこういうふうに日本のトップリーグで、お互いに夢を叶えて、最高のスタジアムのピッチに立ったのは、本当に良かった」と言い、「決められなくて良かった」と笑った。
石原のヘッドを防いだセーブについて、「本当に率直にボールに反応できて落ち着いて守れました。前半も何本かセーブできたので、自分のなかではリズムに乗れていたのかなと思います。結果、点が取れなければ、取らせないことができて0-0にできた」と、胸を張ったが「(ヘディングを打たれたときは)誰だか分からなくて、悔しがっている選手の背中を見たら広教だった」と、説明した。
今季、所属クラブでともに主力となっている石原と福井。今回は福井のセーブもあってC大阪がアウェーゲームで勝ち点1を持ち帰る結果になったが、次の対戦時にはどうなるかも楽しみなところだ。
(河合 拓 / Taku Kawai)