悪夢の6戦5敗…町田に再び悲劇「あの時間帯の失点は」 日本代表も落胆「最後のは…」

先制点を決めた町田の望月ヘンリー海輝「あの時点で考えると良かったかな」
FC町田ゼルビアは、5月7日のJ1第15節京都サンガF.C.戦に1-2で敗れた。前半35分にDF中山雄太が脳震盪の疑いでプレー続行ができなくなると、黒田剛監督はDF望月ヘンリー海輝を投入。ルーキーイヤーの昨季、日本代表にも選出された192センチの大型DFは、プロ初ゴールとなる先制点を挙げたが、無念の逆転負けに肩を落とした。
中山が脳震盪疑いとなって突然巡ってきた出場機会。望月は最初のボールタッチ後、足を回して股関節のストレッチをするなど、十分にアップもできていない様子だった。しかし、ピッチに入ってからわずか4分後、中山の交代で左サイドに移ったDF林幸太郎のロングスローをDF岡村大八がすらせたところ、ゴール前にしっかり詰めて先制ゴールをもたらした。
「ロングスローからの得点でしたが、ハチくん(岡村)が競り勝ってくれると流れのなかで感じていて。あそこにくるなと感じて、そこに飛び込んだら送ってくれて。チームとしても前半の最後のほうに、スクランブルの交代のなかで点を取れて、あの時点で考えるとチームに勢いをつけられて良かったかなと思います。前節の鹿島戦、自分が飛び込んでいれば勝てていたシーンがあったので、そこで学べて点を取れたと自分では思っています」
ゴールを決めた後は林やDF昌子源も駆け寄り祝福の輪ができた。「なかなかホームで勝てていなかったので、少しでも勢いづいてくれたら」という思いで、喜びを表現した望月だったが、後半の2失点で逆転負けとなり、試合後の表情も決して明るいものではなかった。
「1点目はあれなんですけど、最後のは……。湘南戦もそうだったんですが、あの時間帯の失点というのは、ちょっと難しいのですが、ああいうのをなくしていかないと、上に行けるチームにならないと思うので、そこは徹底させていくしかないと思います。ファウルででも自分のところで止められるようにならなければいけない」と、後半アディショナルタイム5分に喫した決勝ゴールを反省する。
タイトなスケジュールで連戦が続き、疲労の影響を問われると「現実的な問題として、後ろの3枚と雄太くんはずっと出ている。ずっと出ている選手に助けられていたので、自分とか出たり、出なかったりという選手が後ろのカバーとか、もっとチームとしての体力を上げていくしかないと思います」とコメントした。
3連敗を喫した後、1勝を挟んで2連敗という現在の成績は、昨季からJ1で戦う町田にとっては最も厳しい結果だ。リーグ戦は団子状態だが、後半戦に入れば町田はAFCチャンピオンズリーグ・エリートも戦うことになり、ほかのクラブよりもさらに過密日程となる。ACLEの戦いが始まる前に、可能な限り勝ち点を重ねておきたいところだ。
「連戦のなかで総力戦だと思うので、スタメンで出た選手、ベンチの選手、メンバーに入れなかった人を含め、難しいけれどみんなが全力でやることが勝ちにつながるとしか、僕は言えない。そこを徹底してやっていくことが、今の難しい局面を乗りこえる一つの方法だと思います」
ピッチで出た課題と向き合ってつかんだJ1初ゴール。その喜びよりも悔しさが残ることになった一戦で、さらなる成長のヒントと悔しさを手に望月は次の試合に向かう。
(河合 拓 / Taku Kawai)