覚えた違和感「恐れるような相手ではない」 J2低迷で戸惑い…ベテランが指摘した意識

大宮戦に出場した札幌・荒野拓馬【写真:加治屋友輝】
大宮戦に出場した札幌・荒野拓馬【写真:加治屋友輝】

札幌の流れを変えた荒野拓馬「僕が後半に入って思ったのは全然つなげる」

 北海道コンサドーレ札幌は4月25日、J2第11節でRB大宮アルディージャに0-1で敗れた。2位と好スタートを切っていた大宮相手に、試合を通して互角以上の好勝負。岩政大樹監督が「非常に根深い問題」と評していた守備も改善が見られたが、J1時代を知るベテラン選手たちにとっては物足りなく映ったようだ。

 8年ぶりに敵地で大宮と対戦した札幌だったが、ここまで2位と勢いに乗る相手に、前半は押し込まれる展開。後半にMF荒野拓馬を投入すると主導権を握る時間も増えたが、同22分にMF藤井一志にボレーシュートを決められる。被枠内シュートはわずか1だっただけに、ワンチャンスをモノにされて敗戦となった。

 開幕戦以降は短い時間の出場にとどまっていた荒野は、これまでの鬱憤を晴らすように躍動。「やっぱりサッカーって楽しいなと思いました。なんか前半はすごく押されていましたけど、僕が後半に入って思ったのは、全然つなげるし、リスペクトは大事ですけど恐れるような相手ではなかったと思います」と語った。

「今年のコンサドーレの結果、順位を見た人たちは、J2なんだからと言うと思いますけど。自分たちは8年間しっかりJ1、日本のトップリーグでやってきた人たちですし、それが1年落ちたからといって、メンバーも抜けはしましたけど、そんなに変わっていないので。しっかりと自信を持って、落ち着いてプレーしたら自分たちも力を出せるというところを遂行するべきだと思います」

 そんな荒野とボランチを組み、阿吽の呼吸で攻撃を組み立てたのが、札幌一筋18年目のMF宮澤裕樹だ。前半は押し込まれながらも組織的に守っているように見えたが、宮澤も「あれだけコーナーキックを与えていると、いつ入るか分からない状況でしたし、本当に際どいシーンもありました」と納得いかない表情だ。

「自分たちがボールを持つ時間を増やそうというところで、僕を含めて後ろのビルドアップの勇気を持つところだったりが、欠けていたかなと思います。そこは僕が出てる意味というのは、ゲームを落ち着かせてボールをコントロールしてというところで。後半に修正できたので、本当は前半でやれればいいですけど、出ている選手も若いですから、なかなか修正していくのが大変ですね」

 1年でのJ1復帰を掲げた今シーズンだったが、まさかの開幕4連敗スタートと躓いてしまった札幌。ここまで11試合を終えて4勝7敗の勝ち点12で、16位に沈んでいる。勝てないと悪循環に陥っていくこともあるなかで、攻撃的サッカーを武器にJ1で戦ってきたベテラン選手たちの力が必要になってくるに違いない。

(FOOTBALL ZONE編集部・工藤慶大 / Keita Kudo)

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