遠藤航を凌駕する「ポテンシャル」 22歳MFの未来に代表OBが太鼓判「経験を積めば面白い」【見解】
【専門家の目|栗原勇蔵】22歳MF藤田が「経験を積んでいけば面白い未来になる」
日本代表は現地時間10月10日に行われた北中米ワールドカップ(W杯)アジア最終予選の第3節でサウジアラビアと対戦し、2-0で勝利した。主将の遠藤航は所属先のイングランド1部リバプールで不遇の時を過ごしているが、元日本代表DF栗原勇蔵氏は「特に不安なところは見えなかった」と指摘しつつ、代わりの選手も育てないといけないと太鼓判を押す選手を挙げた。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部)
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日本は最終予選で中国とバーレーンに連勝し、この10月シリーズはサウジアラビアとのアウェーゲームからスタート。純粋なアウェーゲームでは06年のアジアカップ予選、18年ロシアW杯と22年カタールW杯の最終予選で対戦し、いずれも0-1で敗戦している厳しい歴史のある対戦に臨んだ。
試合は序盤から拮抗したなか、前半14分にクロスの流れから頭でつないで最後はMF鎌田大地が先制点を奪った。その後は攻め込まれるシーンもあったが耐えると、後半36分にコーナーキックの流れから途中出場の小川航基が頭で合わせて、日本が2-0の勝利を収めた。
メンバー発表の際にリバプールで出場機会が限られている遠藤に対して、森保一監督は心配していないと言及していたが、この試合を見た栗原氏も「出ないと試合勘がなくなるのはよくありますが、今日に関しては徐々にパフォーマンスが上がっていった」と称賛し、「相棒の守田がハイパフォーマンスだったので遠藤がバランスを取った。特に不安なところは見えなかった」と言及した。
「絶対的な存在で何年も代表を支えてきた選手だし、守田はさらに伸び盛りで遠藤はまだまだ老け込む年でもないですけど、こういう時に2人の選手と変わらずの選手を育てていかないといけない」と指摘。そこでベルギーで活躍する藤田譲瑠チマに期待を寄せている。
藤田は東京ヴェルディ、徳島ヴォルティス、横浜F・マリノスを経て、23年夏にシント=トロイデンへ完全移籍を果たした。今夏行われたパリ五輪ではU-23日本代表の主将としてチームを牽引。また、今回は22年のE-1選手権以来となる2度目の招集であった。
「藤田が経験を積んでいけば面白い未来になる」と太鼓判を押し、「能力は凄いあって成長している。パスも前につけて、どんどん上手くなっていっている。そういう意味では遠藤を超えるポテンシャルを持っている。現段階では足りないところもあるが、経験を積めば遠藤を超す可能性もある」と一目を置く存在だと語った。
代表OBが絶賛する22歳MFは、今季リーグ開幕節と2節は五輪により欠場したが、復帰した3節からは8試合連続でスタメン出場(うち6試合はフル出場)を果たしている。代表では不動の存在である遠藤と守田英正2人の間に割って入ることができるのか、今後のさらなる活躍から目が離せない。
(FOOTBALL ZONE編集部)
栗原勇蔵
くりはら・ゆうぞう/1983年生まれ、神奈川県出身。横浜F・マリノスの下部組織で育ち、2002年にトップ昇格。元日本代表DF松田直樹、同DF中澤佑二の下でセンターバックとしての能力を磨くと、プロ5年目の06年から出場機会を増やし最終ラインに欠かせない選手へと成長した。日本代表としても活躍し、20試合3得点を記録。横浜FM一筋で18シーズンを過ごし、19年限りで現役を引退した。現在は横浜FMの「クラブシップ・キャプテン」として活動している。