パリ五輪がW杯よりも“過酷”なワケ 難敵の3か国…期待する「2人のキーマン」【前園真聖コラム】

U-23日本代表【写真:Getty Images】
U-23日本代表【写真:Getty Images】

グループリーグ初戦で勝ち点1以上はマスト

 大岩剛五輪代表監督がメンバー18人を発表し、いよいよパリ五輪が近づいてきた。来週末には選手たちが現地入りすることも予想される。オーバーエイジを招集できず、ヨーロッパのクラブからは招集を認めてもらえない選手が出ているなか、五輪代表はどんな戦いを見せるのか。1996年のアトランタ五輪代表チームのキャプテンでもあり、元日本代表MF前園真聖氏に、パリ五輪代表の戦いに望むことを聞いた。(取材・構成=森雅史)

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 パリ五輪に臨むメンバー18人が発表され、あとは本大会で勝ち進むのみです。そもそも五輪は非常に難しい大会です。まず出場国が16か国ということで、本大会に出場した時点で世界のベスト16を相手に戦うことになります。

 しかも、日程はワールドカップ(W杯)に比べると過酷です。W杯ではほぼ中3日で試合が開催されます。ところが五輪では中2日。猛暑の中で選手たちの疲労度が非常に高くなることは間違いありません。

 さらに選手数も違います。2022年のカタールW杯の時のメンバーは26人でした。五輪は18人。ということは、完全なターンオーバーというのは使うことができません。コンディションを細かく見ながら交代させていくことになります。日程が短いうえに、個々の選手の出場時間は増えそうですから、本当にタフでないと勝ち抜けません。

 勝ち進んでいく最初の戦略としては、とにかくグループリーグ初戦で勝ち点を挙げることです。2024年CONMEBOLプレオリンピックで優勝したパラグアイを相手に勝ち点3とまではいかないまでも、勝ち点1以上を挙げることは必要です。

 2戦目のマリとは3月22日にサンガスタジアムで対戦していて、そのときは前半2分に平河悠のゴールで先制したものの、次第に押し込まれ、結果的には1-3で敗戦しました。ただ、親善試合と本大会は違いますから、その借りを返してほしいものです。

 第3戦のイスラエルは、ヨーロッパ予選を勝ち進んで五輪出場を決めています。グループリーグでは同じ組にいたドイツやチェコを退けて決勝トーナメントに進出していたことを考えると、決して侮れない相手です。

エースの細谷真大がどこまで攻撃陣を引っ張ってくれるか

 このグループリーグを突破することが最初の目標なのですが、それ以上にこのチームは勝ち取らなければならないことがあります。

 僕は今回の五輪代表チームへの関心度は東京五輪の時に比べると低くなっていると思います。前回は母国開催でしたし、ヨーロッパのクラブも所属選手の五輪への出場を認めてくれました。それに対して今回は、注目度という点では不利な材料が揃っています。

 でも、それを勝利を積み重ねることで、自分たちへの関心を高めていってほしいのです。振り返ると、今回のチームはアジア予選も突破できるかどうか非常に不安視されていました。それを粘りに粘って、ついに優勝までしたのです。あの時と同じことを今回起こしてほしいと思います。

 期待する選手としては藤田譲瑠チマ(シント=トロイデン/ベルギー)。キャプテンですし、非常にスキルの高い選手です。体格的に恵まれているとは言えない選手ですが、それをはね返すテクニックを見せてくれるでしょう。

 そしてバックアップメンバーにFWがいないなか、細谷真大(柏レイソル)がどこまで攻撃陣を引っ張ってくれるか楽しみです。1月のアジアカップに選ばれていた能力を発揮してほしいと思います。

 ほかの選手たちみんなに言えることですが、ここでの活躍が日本代表への道を開きます。そのためにも頑張ってほしいと願っています。

【パリ五輪試合日程】

・グループステージ(日本:グループD)
第1戦 7月24日(水) 19:00/日本時間25日(木) 2:00 vs パラグアイ
第2戦 7月27日(土) 21:00/日本時間28日(日) 4:00 vs マリ
第3戦 7月30日(火) 21:00/日本時間31日(水) 4:00 vs イスラエル

・準々決勝
8月2日(金) 17:00/日本時間3日(土) 0:00 グループD1位 vs グループC2位
または
8月2日(金) 19:00/日本時間3日(土) 2:00 グループC1位 vs グループD2位

・準決勝
8月5日(月) 18:00/日本時間6日(火) 1:00 ※グループD1位の場合
または
8月5日(月) 21:00/日本時間6日(火) 4:00 ※グループD2位の場合

・3位決定戦
8月8日(木) 17:00/日本時間9日(金) 0:00

・決勝
8月9日(金) 18:00/日本時間10日(土) 1:00

(前園真聖 / Maezono Masakiyo)



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前園真聖

まえぞの・まさきよ/1973年生まれ、鹿児島県出身。92年に鹿児島実業高校からJリーグ・横浜フリューゲルスに入団。96年のアトランタ五輪では、ブラジルを破る「マイアミの奇跡」などをチームのキャプテンとして演出した。その後、ヴェルディ川崎(現・東京ヴェルディ)、湘南ベルマーレの国内クラブに加え、ブラジルのサントスFCとゴイアスEC、韓国の安養LGチータースと仁川ユナイテッドの海外クラブでもプレーし、2005年5月19日に現役引退を表明。セカンドキャリアでは解説者としてメディアなどで活動しながら、「ZONOサッカースクール」を主催し、普及活動を行う。09年にはラモス瑠偉監督率いるビーチサッカー日本代表に招集されて現役復帰。同年11月に開催されたUAEドバイでのワールドカップ(W杯)において、チームのベスト8に貢献した。

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