鎌田の残留交渉“決裂”…ラツィオ強化責任者が憤怒「大変失礼な態度」「議論する気ない」
ラツィオ残留濃厚から急転直下で破談、ファビアーニ強化責任者が声明
イタリア・セリエAのラツィオに所属のMF鎌田大地は、契約延長オプションを行使せずに退団することになった。ラツィオの強化責任者アンジェロ・ファビアーニ氏は鎌田サイドの提案に怒りを隠せないコメントを残している。
鎌田は昨季限りでドイツ1部フランクフルトを退団し、夏の移籍市場の最終盤でラツィオに加入。シーズン入り当初はスタメン起用もあったが、徐々に出場機会から遠ざかった。ラツィオは2021-22シーズンからマウリツィオ・サッリ氏が率いていたが、3月中旬に電撃辞任。その後にイゴール・トゥドール監督が就任すると鎌田を中心的な存在に据えた。鎌田もパフォーマンスを高め、首位インテルとのゲームでは鮮やかな左足ミドルも決めた。
イタリアメディアでは盛んに鎌田の契約は単年プラス複数年の延長オプションが付帯したものだと報じられてきた。そして、鎌田はラツィオ残留の可能性を除外していないものの、契約期間がネックになりオプションを行為せずに新たにフリーの選手として交渉する可能性も指摘されていた。一時は残留が極めて濃厚になったとされていたが、急転直下で破談となり退団が決まった。
ファビアーニ氏はこの件について5月31日にチームの公式サイトで音声での声明を発表。それによると「昨年、私たちが鎌田に賭けたのは、ルイス・アルベルトが退団を望んだから。選手サイドは、1年契約でさらに3シーズンのオプションという彼らにとって有利な条項を要求してきた。昨日この条項は期限切れとなり、私たちは予想外の事態に見舞われた」としている。
そのうえでファビアーニ氏は「実際、彼らは大変失礼な態度で、昨年と同じタイプの契約を求めてきた。私は誰に脅迫されているわけでもないし、この強要について議論する気もないと言った。もし私がその要求を受け入れたら、彼は売却の可能性もなく1年後に退団していただろう」と、鎌田サイドが再び単年契約を求めてきたことに怒りを見せた。
ファビアーニ氏は「誰もが実用性のある存在であり、不可欠な存在はいない」として、シーズン終盤に中心選手の地位を確立した鎌田の要求を突っぱねた模様だ。フランクフルト時代の恩師オリバー・グラスナー監督が率いるイングランド・プレミアリーグのクリスタル・パレスへの加入が濃厚とも報じられる鎌田だが、イタリアでのキャリアは後味の悪さも残しながら1シーズンで終わることになりそうだ。
(FOOTBALL ZONE編集部)