鎌田大地、ラツィオ残留が濃厚 契約延長オプション行使が“決定的”と伊メディア報道
今季限りで単年契約が終了、去就動向が注目の的に
イタリア・セリエAのラツィオに所属のMF鎌田大地は、当初の契約にあった複数年の延長オプションを行使する形で来季もチームに残留することが濃厚になったという。イタリアのサッカー専門メディア「カルチョメルカート・コム」が報じた。
鎌田は昨季限りでドイツ1部フランクフルトを退団し、夏の移籍市場の最終盤でラツィオに加入。シーズン入り当初はスタメン起用もあったが、徐々に出場機会から遠ざかった。ラツィオは2021-22シーズンからマウリツィオ・サッリ氏が率いていたが、3月中旬に電撃辞任。その後にイゴール・トゥドール監督が就任すると鎌田を中心的な存在に据えた。鎌田もパフォーマンスを高め、首位インテルとのゲームでは鮮やかな左足ミドルも決めた。
イタリアメディアでは盛んに鎌田の契約は単年プラス複数年の延長オプションが付帯したものだと報じられてきた。鎌田はラツィオ残留の可能性を除外していないものの、契約期間がネックになりオプションを行使せず新たにフリーの選手として交渉する可能性も現地メディアは指摘。さらに、イタリアの成長令(Decreto Crescita)と呼ばれる制度が廃止されたことの影響も指摘されていた。
そうしたなかで、レポートでは「ラツィオとの最終的な問題は、27歳のミッドフィルダーの側近が1シーズンのみの契約延長を求めたことから生じたが、それも解決した。鎌田はロティート会長と直接話し合い、成長令の効果を失わないよう、1年前に定められた契約内容(2年か3年)を尊重することを決めた」とされている。これにより、複数年の契約延長オプションの行使による残留が決定的になったようだ。
この成長令とは「直近の2年以上をイタリア国外で生活していた者を新たに雇用する場合は所得税率を最大50%免除する」という項目があったイタリアの制度で、昨夏の時点で鎌田は対象選手だった。しかし、新たな契約が必要になると税制上の優遇措置がなくなるため、海外からの選手給与にかかる総費用は実際ほぼ倍増すると指摘されていた。昨夏時点での契約内容を尊重することで、ラツィオはこの制度の枠内に鎌田を留めることができる模様だ。
イタリアメディアでは、トゥドール監督が鎌田について「私の見立てでは、彼は攻撃陣の一角に入れるよりも最終ラインの前でプレーさせるほうが合っていると思う」と評価していることも伝えられていた。残留となれば、ボランチの主力としてイタリアでの2シーズン目をスタートすることになりそうだ。
(FOOTBALL ZONE編集部)