3月26日の一戦は開催自体が中止に

　3月26日に開催予定だった日本代表の北中米ワールドカップ（W杯）アジア2次予選アウェー北朝鮮戦が突如中止になった一報は、波紋を広げている。北朝鮮側の釈然としない事情によるものだが、韓国メディアは「また隠れてしまった北朝鮮サッカー」と伝えている。

　日本は3月21日に行われたホーム開催の北朝鮮戦を1-0で勝利。当初は26日に平壌でリターンマッチを戦う予定だったが、北朝鮮側の意向から同国での実施は白紙となった。中立地開催などの動向が不透明になったなかで、22日にはアジアサッカー連盟（AFC）から26日開催が困難になったことが発表された。

　これを受けて日本サッカー協会（JFA）は、今回のFIFA（国際サッカー連盟）デイズ（3月18日～26日）で中立国を含めた試合開催が困難になったため、試合中止を発表。22日の練習をもって代表チームは解散し、日本の不戦勝になるかどうかの判断は、FIFAに委ねられることになった。

　平壌開催を巡る異例の“ドタバタ劇”はなでしこジャパン（日本女子代表）でも発生。先月行われた北朝鮮とのパリ五輪のアジア最終予選において、第1戦の開催地・平壌での開催は直前で中止になり、試合のわずか3日前に中立国のサウジアラビア開催が決定している。

　韓国メディア「デイリアン」は「また隠れてしまった北朝鮮サッカー」と見出しを打ち、今回の事態に言及している。

「ルールに従わない北朝鮮によって、2026年の北中米W杯アジア2次予選の北朝鮮×日本の試合が中止になった。理由は明確ではない。北朝鮮側はホームで開催できない理由について、いかなる説明も表明しておらず、AFCも“予期せぬ事情”としている。結局、両チームのグループリーグ第4節はキャンセルとなり、今後のスケジュール再設定も容易ではない。日本の不戦勝になるのが有力だ。一方、北朝鮮は2022年のカタールW杯アジア2次予選でも新型コロナウイルス感染を理由に突如棄権を宣言したことがある」

　昨年、中国・杭州で開催されたアジア大会以降、国際舞台でも戦ってきた北朝鮮だが、また暗雲が立ち込め始めている。